Summer Live “La La La” 2000年8月5日 香川県志度町野外音楽広場テアトロン |
8月5日、「日本一の野外コンサート会場」での西日本唯一の野外コンサート。全国各地から集まったファンを前に、24年間ライブを続けてきた松山千春だからこそのシンプルかつ味わい深いステージが繰り広げられた。何故こんなにも詞が入り込んでくるのだろう?何故こんなにも感情が押し寄せてくるのだろう? 目に見えないパワーに、変化していく感情やその温度。心を抑揚させる完成度の高いステージは、とても言葉では表現できない。この感動は実際にコンサートで感じてもらうとして、ここでは、楽しみにしている方も多いMCをほんの少しだが紹介したいと思う。 |
志度で野外コンサート 「やらさせていただきます!」
今回デュークから「志度でコンサートやってみませんか」って言われた時にな、真っ先に思い出したのがさ、高松でコンサートやった時に、俺さ、アンコール長いべや?アンコールが長いっていうより、喋りが長いべや?(笑)アンコールやって歌ってる時にさ、そのへんのお客さんが帰るわけだよ。「お前、馬鹿じゃないの?俺が歌ってんのに。これから頑張ろうって言ってる時にどうしたんだよ、お前」って言ったらな、「すいません。船の最終便がもう間に合わないんです」。俺、あれ言われた時にな、「申し訳ない!(笑)俺がベラベラ喋ってるばっかりに(笑)、お前の大切な時間をつぶしてしまったんだね」みたいな。「船まで使ってわざわざ来てくれてるのかよ」、そう思った時に、改めてありがたいと思うわな。そんな人がいるんだからさぁ、俺もっともっと頑張んなきゃだめだなぁ、もっといい曲をもっと上手く歌わなきゃだめだなぁ。あれがあったばっかりに余計さ、「志度でやってくれ」って言われた時は、もう逆にこっちから「やらさせていただきます!<お辞儀>」みたいなさ(拍手)。いかんな、人間慣れてしまうと忘れてしまうもんな、そういうことをさ。お前達さぁ、俺が歌ってる時に途中で帰ってみてくれ、1回(笑)。そしたら俺また分かるから、「あぁ、こんなことではいかん!」みたいなさ(笑)。本気にするなよ…(笑)。
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一つでも多く幸せを、いいことがありますように いいことばっかりだったら悪いこともありますように
俺達はな、自分の身を削りながらな、1曲1曲作ってな、一生懸命歌ってるんだ。それは多分これからもな、変わることなくやってくだろうな。けど、それがここまで24年間できたってことはだな、多分皆の力だろうな。皆が「千春―!」って言ってくんなかったら、多分俺はもういないわけだから。なぁ?皆のお陰で言いたいこと言えて、やりたいことやってる。まあ、相乗効果みたいなものだわな。俺も良くなってお前達も良くなる(笑)。いやいや、そんなもんだよ、客と歌い手の関係って。できればこれから何年も何年もそうあってもらえばいいと思うけども。俺はお前達の生活な、どうか一つでも多く幸せを、いいことがありますように。いいことばっかりだったら悪いこともありますように―(笑)。馬鹿!当たり前じゃないか!俺、結婚式の時によぉ、挨拶して下さいって言われるからさ、するんだけどさ。俺挨拶する時、皆ヒヤヒヤだよな(笑)。何言い出すんだろうみたいな、な?そこで俺必ず言うもん。「新郎新婦、早く不幸に出会って下さい。その時に初めて誰が必要なのか、誰が自分のことを一番よく思ってくれるか、それがよく分かりますから」。結婚してこれからな、巣立とうとしてるんだぞ。そりゃ皆褒めるって。褒め合ってもしょうがないだろ?それよりも真っ先に不幸に出会うことだよ。その時に初めてそういうの分かるわけだからさ。俺はそういう逆説的な考え方が好きなんだなぁ。
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自分で自分を見失う時代に 警鐘を鳴らすのが我々の歌 インターネット、パソコン、今IT革命とか言ってるけどさ、そういうものに世界中がだぞ、振り回される時代がくるんだろうな。それで我々は自分で自分を見失ってしまうんだろうな。そしたらさ、そういうものに警告を発したり警鐘を鳴らしたりするのがな、本来は我々の歌なんだ。うちの事務所もホームページを作るとか言ってたんだけどさ、「ちょっと待てよ。ホームページ作るよりも何よりも、俺達はそういうことを歌っていかなければならないんだから、そんなものに振り回されてはいけない!」とか何とか言ってな。要は俺、使えないんだ…(笑)。意外と機械が苦手なんだよ。俺もさぁ、今年で45になるのかな?早いな。あと5年経ったら50だぞ、50。たまらんなぁ(笑)。15年経ったら還暦(笑)。その時には赤いマイク持って歌ってるから(笑)。なぁ!(拍手)楽しみだなぁ。でも本当、皆でもっともっと考えなくてはいけないような時代に入ってきてるんではないかと思ってな。そういう歌をできればたくさん作って、皆に受け止めてもらえればなぁと思います。
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諦めるな!何年かかろうが お前のところにも行くから 俺、コンサート好きだからさぁ。これCDには収められないもんな。「こんなぬるい風が吹いてました」なんてなぁ?(笑)だから俺はステージで歌ってるのが一番好きだなぁ。さっき子供が泣いてるからって横へ行ったお母さんもいたけどさ、気にする必要はないんだぞ。そりゃあ子供が泣かなかったら心配しろよ(笑)。子供は泣くもんなんだからさぁ。皆に迷惑がかかると思ってな、子供連れて出てくんだよ。よく会館でもいるんだよ。俺は「行かないでくれ!」って言いたいもんな。「その子を黙らせるぐらい、俺もっと上手く歌うから」って思うもんな(拍手)。当然じゃないですか。しかし、泣き止まないということはまだまだということだな(笑)。反省しよう。けど、この時間をだぞ、しかもこの志度テアトロンでだぞ、一緒に過ごせること、光栄に思うし、忘れることはないだろうし。この気持ちでな、また秋のコンサート、そしてまた来年、再来年歌っていければいいなと思うし。また機会があったら遊びに来て下さいよ(拍手)。今日は本当に口に出せないような町から来てる奴もいるかもしれない(笑)。諦めるな!お前のところにも行くから!何年かかろうが、っていうかこっちが何年生きられるか分からんけどよ(笑)。行きたいなぁ。今向こう側に見える島にも行きたいなぁ(拍手)。おっ、島から来てるの?もう少しで終わるからな(笑)。お前!大変なんだって、島から来てる人たちは。お互いの生活を大切にしながら、どこかでまた会えると嬉しいです。
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1.Soupir 2.逢いたくて 3.アクセル 4.22才の別れ(1フレーズ) 5.シルエットロマンス(1フレーズ) 6.オホーツクの海 7.La La La 8.君に 9.旅立ち 10.銀の雨 11.俺の人生 12.INTENTIONAL 13.大いなる愛よ夢よ <encore 1> 1.夢 2.この夏一番 3.長い夜 4.恋 5.純 –愛する者たちへ- 6.季節の中で 7.君を忘れない <encore 2> 1.車を止めて 2.人生の空から 3.教訓 4.大空と大地の中で |