『男臭いバンド』と言うには彼らに失礼か。しかしながらここに届いたAL「あつい抱擁」にはそんな男同志ならではのPureで熱い思いがいっぱいに詰まっている。スピーカーから流れ出る音はどこか懐かしく、自分を素っ裸にして直球勝負で向ってくるその姿が実に気持ちいい。ALを聴き終えて彼等の話に耳を傾けると、バンドブームの世代で育ったメンバーのバックボーンが見えてきた。そのルーツの上に、ジュリアン・耕三が辿ったオールディーズのエッセンスが付け加えられ、現在のスタイルが完成しているのだ。「ものすごいオーソドックスでスタンダードなバンド」(Vo.ジュリアン)「色々やってみたけど、やっぱり僕らはコレかな。これしかできないっていうか。でもいくら時代が移り変わってもいいものはいいっていうか」(B.耕三)と互いが分析するように、自分達がやりたいことを追求してきたからこそ生まれる、特有の個性がガンジンルーの核となる。
前作「百年の恋」ではライブバンドとしての地位を確立すべくツアーを敢行。そこで得た自信や信頼、仲間達との出会い…取り巻く全ての出来事が今の彼らを支えているのだと思うのは、私だけではないはず。ツアーで知り合った仲間達とのあつい抱擁…このALはまさにコレだ。「最初のツアーで世界が変わった。自分らはこのままでええんやなぁっていうのが分かった。どこに行っても同じコト考えてるヤツらはいるし、同じモノを求めているヤツらはいる。知り合えて良かった。だからまた会えるといいな……で、あつ抱擁をかわして別れたわけです。それを教えてくれたのはツアーで知り合った仲間達だったし…」とジュリアン。色んな出会いが繰り返されていく中でこうして、本当に大切だと思える仲間に巡り合えた彼等が少し羨ましかった。普段使う言葉そのままに綴られた歌詞から、皆さんも、皆さん自身の言葉で「あつい抱擁」を受止めていただきたい。それは大好きなあの人との抱擁だったり、友達との抱擁だったり…。そして次は「今まで出会った人はもちろん、それ以外のまだ見ぬあなたとあつい抱擁をかわしたいです」というガンジンルーと。人間同志って面倒くさい事もいっぱいあるけど、やっぱりいいよね。 |