椎名純平
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1.Mercy,mercy,me〜What's
going on
2.未来
3.逃げろ!
4.指
5.白昼夢
6.仮面
7.無情
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夏にリリースされたデビューアルバム『椎名純平』ですが、曲名がどれもタイトですね。
「楽曲にも言えることなんですけど、できるだけシンプルにしたかったんです。タイトルだったら、一言だけである事によって、いろんな想像ができるじゃないですか。例えば『仮面』だったら、お祭とかである"おめん"だったり、仮面舞踏会だったり、オペラ座の怪人のような仮面だったり・・・人によっていろんなことを想像すると思うんですよ。想像力を広げてもらって、椎名純平が言いたい仮面というのはこういう事だったのか、という人の心の動きのようなものが面白いなって思って。」
あと英詩がほとんどないんですよね。
「いろいろ理由があるんですけど、日本の歌謡曲って英語が混じってんのは何でだろうって、あまり良くない印象だったんです。作る立場になった時、英語を入れたほうが確かにやりやすいんですよね。そこで挑戦してみたいっていう気分ももちろんあったし、そうやっていくうちに日本語の面白さというのが出て来たんです。さっきの仮面の話もそうですけど、日本人だからって事もあるけど、ワンフレーズの中にいろんな意味が含まれてたり、奥深さがあったり、そういう部分にも惹かれてる。そういう意味で、英語を絶対使わない、とまでは言わないけど、日本語でやれる事はいっぱいあるなって思っています。」
あと日本語は含みのニュアンスが持たせられますよね。
『仮面』の中の男女も"かけひき"してるなって。あれも日本語だから表現できる世界ですよね。
「逆にああいう内容を英語でやろうとするとまた違った感じになったでしょうね。」
それにしても、声が太いですねー。でいながら、色っぽい・・・。ボイストレーニングとかはされたんですか?
「やらなきゃいけないなって思いつつ結局やってないんですけどね。綺麗に言うと独学、我流ですね。」
印象的だったのが酸っぱめの(笑)トランペットの音。色っぽ〜い椎名さんの声との対比が面白いです。
「あくまで個人的な好みだけど、サックスがあまり好きじゃなかったし、ホーンセクションを入れることもあまり好まなくて。そこにたまたまいいトランペッターが!もともと他のバンドでやってたんですがこっちでも手伝ってもらう事になって。縁ですね。もともとトランペットの音は好きですし。」
楽器にこだわりがありますか?
「自分が鍵盤を弾きながら歌っているので、鍵盤ですね。あとは何だかんだ言って古い楽器の方が良かったりするんですね。出来ることなら、古い楽器をいろいろ持っておきたいな、買い占めたいなって思います。」
曲を作るときは、鍵盤ですか?
「鍵盤で作る時もあります。でもわりと頭の中で想像で組み立てる事の方が多くて、それである程度形になりそうだったら初めて鍵盤触ったりするんですけど。」
どういう環境で曲作りしてるんですか?
「机や鍵盤の前に座って、ってなると面白いもの浮かびにくいな。やっぱり出かけてる時とか車の中とか。もちろん"さあ作るぞっ"って時もあるんですけど。わりと、ランナーズハイじゃないけど、ライターズハイみたいな感じで書いてるうちにが〜って出来る感じですね。出て来なくって苦労してるようなのはあんまりないですね。このアルバムの中の曲はアマチュア時代に書いた曲がほとんどです。」
その帽子はトレードマークですか?
「結果、トレードマークになって、とるにとれなくなった(笑)。そもそもプライベートでかぶってたのがだんだんトレードマーク化して来て・・・髪型はここ何年かは、わりとボーズな感じ。バリカンでね。やっぱバリカンがないと!ただこの耳の後ろ!あと肌との境界線だけは重要、抜けがちになるから(笑)。」
大学で東京へ出られて、本格的に音楽を志して行く訳ですけど、その頃はどんな音楽を聴いていましたか?
「ファンクやソウル、R&B、ヒップポップ・・・節操なく聞いていたけれども、ほとんどが黒人音楽だったかな。」
曲にもよるでしょうけど、自問自答してるように感じました。自分で自分を探っているような。
「そうかもしれないなあ。このアルバムを作るにあたっては、このアルバム全体でストーリーを作りたいっていうのはありましたが。ラブストーリー的なね。」
これからはどんなことに挑戦してみたいですか?
「音楽のスタイルは基本的には変わらないかな。バンドのより一体感みたいなものを深めて行ったりとか。自分のスキルを上げて行ったりとかですね。あとは、マリンスポーツとか、何か趣味を持ちたいな。少なくとも最近はそういう趣味らしい事をやってないし、回りで釣り好きやマリンスポーツやってる奴がいたら、あーいいなあって思うし。音楽から離れてみないと分からない事ってあるだろうし。」
最後に、四国のにいる、椎名純平ライブ未体験の人たちにメッセージを。
「CDも一生懸命作っているしいいものが出来たと思っているけど、俺らは基本的にライブが得意分野なんで、とにかくライブに来て欲しいですね。CDがあってライブがあって初めて音楽やってる俺らの立ち位置みたいなものが確立されるのでね。」
生バンドのサウンドが、より椎名純平を椎名純平らしくしている。痛烈に響き渡るトランペットの音にソウルフルでメロウな歌声が乗り、1曲1曲と演って行くにつれ、開場は酔いしれて行った。曲の雰囲気やルックスの感じとは、ガラリと変わる人なつっこいMCにまたくすぐられた。
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