
大型の台風10号が各地に大きな爪跡を残して日本列島を横断した。心配されていた影響もあまり受けず、薄曇りの中今年で14回目となるExciting
Summer in WAJIKI '03が開催された。毎年、この土地で14年間も数々のアーティストの熱いライブが繰り広げられてきたのだと思うと感慨深いものがある。
今年の出演者は今までとは少し赴きを変えた"癒し"という言葉がぴったりなラインナップだった。オープニングアクトで登場したチン☆パラは声だけで作るリズムの波、6人が奏でるハーモニーは素晴らしかった。私達に沖縄の風を運んでくれたBEGIN。メンバーの心の温かさ、地元沖縄への思いの深さ、少しせつなくて温かいメロディーに心を打たれた。初の徳島ライブとなった矢野真紀。彼女の歌に観客達が引き込まれ、会場の空気が変化していく様は圧巻だった。ライブ終了後、笑顔でステージを去る彼女を温かい拍手が包んだ事も印象的だった。デビュー曲となる『YELL』からスタートしたコブクロ。彼らのコーラスワークはさすがの一言。切ない歌詞がメロディーに乗り、静かに私達の心へと届く。
ラストはSING LIKE TALKING。澄んだ空気に心地よいメロディー、そしてVo佐藤竹善の美しい声が、山を抱く広大な会場に響く。
そしてオムニバスライブの醍醐味であるセッションも行われ、贅沢な気分を味わえた。二人で歌うと第三の声になる日本で数少ないアーティストと絶賛するコブクロと『離れずに暖めて』をセッション。素晴らしい女性ヴォーカリストと紹介した矢野真紀と、彼女のハモリのラインがメインのラインに聞こえてしまうほど素晴らしいヴォーカルに仕上がったという『Borderland』をセッション。どちらのセッションもそれぞれの持ち味が加わり、いつものテイストとは違った曲になる。それぞれのアーティストがお互いをリスペクトし生まれた空間・瞬間を見ることができたことを幸福に思えた。そして改めて今日一日を振り返り、音楽というものは人の心をこんなにも幸福にする事ができるものなんだと思った。世界では、テロや戦争などの悲しい出来事がたくさん起きているけれど、世界中の人々が音楽を聴き・愛し・幸せな気持ちになれればそんな悲しい出来事も無くなるかもしれないのにと、ふとそんな事を思ってしまった。今年、この会場に流れたpeacefulな時間を私はきっと忘れないだろう。
Exciting Summer in WAJIKI '03 愛しくて幸せな時間をありがとう。
SET LIST
チン☆パラ
1.Let it go !
2.ビビディバビディブ
3.Love Phantom
4.反町
5.Spiral Days
6.君にありがとう
BEGIN
1. 竹富島で会いましょう
2. 恋の島 鳩間島
3. 涙そうそう
4. 風よ
5. かりゆしの夜
6. 島人ぬ宝
7. その時生まれたもの
矢野真紀
1. みんなにうた
2. オアシス
3. 君の為に出来る事
4. 明日
コブクロ
1. YELL
2. 手紙
3. 風
4. blue blue
5. 潮風ドライブ
6. 轍
SING LIKE TALKING
1. Restless〜君の許へ〜
2. 止まらぬ想い
3. 離れずに暖めて
4. The Love We Make
5. Borderland
6. HELLO |
text●Makiko Naito
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