text&photo●aco nagata


●訳も無く切なくなったり、訳も無く人恋しくなったり、訳も無く自分の存在が曖昧になる…生きていると自分でも説明のつかない“訳も無く”っていう気持ちがいっぱいあって、得体の知れないのその気持ちに、私達はしばしば苦しめられてしまう。でも、きっとその“訳も無く”には理由があって、自分でもその理由に気付き始めてたりもしてて、だけど気付かないふりをしてみたり、誰かのせいにしてみたり、悪い方へと追い込んでみたりもする…あぁ人間っていう生き物はなんて面倒で、ややこしいんだろう!!

 でも、ELLEGARDENの楽曲を聴いていると、そんな人間だからこそ、単純で、愛おしい生き物なんじゃない?!と思えてくる。「いくら頑張ったって僕に空なんて飛べやしない―僕は糞ったれのダメ人間」と歌う『Supernova』然り、「こんな星の夜は全てを投げ出したってどうしても君に会いたいと思った」と歌う『スターフィッシュ』然り、「僕らはM・ジョーダンになりたい 僕らはブラッド・ピットになりたい」と歌う『Wannabies』、「風の吹く音 夜空の星座 そういうものには勝てない」と歌う『月』、「重なって少し楽になって―間違って少し失って―We're Missing」と歌う『Missing』、「数え切れないほど無くしてまた拾い集めりゃいいさ」と歌う『ジターバグ』、「時間を全て巻き戻して 僕らが居たはずの場所に戻せたらいいのに」と歌う『So Sad』、「僕だっていつもピエロみたいに笑える訳じゃないから」と歌う『風の日』…上げればキリが無いのだが…こんなにも私達の心を魅了して止まない彼らの歌には今、まさにココで格闘しているリアルが存在する。ありのままの自分を受け入れて、認めて、だからこそ生まれた言葉たちが、説明のつかないあの“訳も無く”を、そう!そう!それっ!と言いたくなるくらいに、ピタリと私達の元へ届けてくれるのだ。なんだ、皆ちょっとダメ男で、醜い女で…それでも空が青くて、星がキレイで、“ダサくたって生きている”それだけでいいじゃないかって。

 「俺、思うんだ。本当は必要なものは沢山持ってるはずなのに、あれも、これもって…きっと欲しがりすぎてんじゃねぇかなって。俺等がいて、お前等がいて、それだけでいいじゃねーか?」―(Vo.&G.細美武士)

 やっぱり、今日もそうそう!それそれ!って大きく頭を揺さぶった。生形がかき鳴らすギターのエッジは最高にスマートだし、脈を打つようにどんどん早くなる高橋のドラミングも、ブラッシュアップされた高田のベースもヤバイくらいにカッコイイ!!涙がチョチョ切れそうなほど痛快なエモメロと、あなたネイティブですか?!というくらい美しい英語詞のギミックが、しなやかで艶のある細美の歌声を昇華させる。うわぁ〜っっ!!瞬きなんかしてらんない!!この瞬間を、この気持ちと共に、このビッグウェーブに乗り遅れるな!!

 1ステージで2回切れた弦、“めっっちゃ楽しい!!”とレスポンスを送る会場、“すげぇーーー楽しい!!”と返した細美、止まないトリプルアンコール………願いごとをしようぜ!簡単なやつを!君が一人きりじゃなくて、今日みたいに、またここでみんなが会えるように…Make A Wish!

 

NOW ON SALE!
SG『Missing』

細美武士
interviewTakeshi Hosomi (Vo.&G.)from ELLEGARDEN

―今年の夏のMONSTER baSHは感動しましたよ!
「ヤバかったですね。俺たちがやったステージとその時目の前に居てくれた奴らとの共鳴現象みたいなものが凄くって、ステージの上で、久しぶりに心の底から『今死んでもいい!』って思ったんですよ、『今なら全然後悔しない』って。すーっごい楽しかったですよね」

―いい顔してましたもんね(笑)
「いろんな要素がすごくうまく作用してて…あの時のライブは一生忘れる事がない、それくらいのものでした。もちろん今度のツアーでもあのピークをさらに上回るようなライブができたらいいなと思ってやっていくんだけど…」

―そういう夏のイベントを経験した後の『Missing』。楽曲を作るにあたりプランはありましたか?
「今回の作品に関しては、新境地ですか?とか、新しい方向性ですか?とかって言われるんですけど、シングルを出そうと、闇雲にずっと曲は書いてたんです。俺はツアー中に曲は書けないんですよ、翌日のライブの事で頭が一杯になっちゃうから。だからMONSTER baSHが終った翌日から作り始めて、8曲くらい作ったんですね。その中で今歌ってて一番気持ちいいと思ったのがこの『Missing』だっただけなんです。年間何百曲と書いている中の1曲であって、久々に出すシングルのリード曲だからすごいみんなこの曲に注目してるけど、全然そんなつもりないんです。ツアー回るのに、ライブの中に違う曲入れた方が俺たちも皆も楽しいと思ってこの3曲を出しただけで…『Missing』1曲に対してどう思うか、この1曲だけを聞いてこのバンドはこっちへ行くよ、っていう事ではないから。俺は『TV Maniacs』の方が1曲目にいいんじゃないかなって思ってたくらい。周りの人が絶対『Missing』!って言うもんだから・・・!」

―リリース後はワンマンですね!
「今回のツアーは今まで一番規模がでかいし、どこも対バンなしなんですよね。まあ楽屋に友達がいないんでちょっと寂しいけど(笑)、ただ、ワンマンだから好きなだけやれるし、その日はELLEGARDENしかないわけで、みんなも前のバンドで疲れてる事もないし、次のバンドに余力を残さなくてもいいし、さっき言った最高に楽しい事のさらに上を目指すのにはすごくいいツアーなんじゃないかなあ?」

―具体的にどんなライブにしたいですか?
「いつも通り、楽しくやって行きたいなと。楽しく生きて行くってのはものすごく体力が要る事でね、実は。色んな事でヘコんだり腐ったりするのはすごく簡単な事だからさ、そうじゃなくて、本当に深刻に捕らえなきゃいけない問題以外は深刻に考えないで生きて行こうと思って。ゲラゲラ笑って生きて行きたい。『まじめにやれよ』って昔は言われたけど、最近はそれが俺のまじめだって分かってくれ始めたかな。そういう生き方もあるよっていうのを、初めてライブに来る子達にはぜひ伝わるといいなって。そこまで開放された空間ってあんまりないからね。俺たちには15本のツアーかもしれないけど、ライブに来てくれる子達にとっては、きっと特別な日なんですよ。何ヶ月も前からチケット代払って、待ってるわけでしょ?だからその子達をステップにしてなんて考えた事もないし。例えばその子達がその1回しかライブに来なかったとしても、2004年の冬はいい冬だったなって思えるようなものにしたいですよね。人によっては、客席に人が居ようと居まいと関係なく自分を表現するだけだっていうのもあるんだろうけど、俺はそうじゃないって事を最近自分で認めつつあって、俺はその日集まってくれたみんなの期待に応えたいんですよ、心の底から。このバンド好きでよかったって思って欲しい。どういうことすればそう思ってもらえるのかは分からないけど、とりあえず、来てくれた人たちと誠実に向き合いたいと思うんですよ。そういう事を考えながら、当日はバカになろうと思うんで(笑)。美味いビールが飲める1日にしたいなって」

―そんな風に想ってもらえるファンは幸せですね(笑)
「無償の愛情を傾けてくれてる訳じゃないですか?いやいや、こっちも同じだけ想ってるぞってのを伝えたいなって昔から思ってて。音楽を表現する人間と、受け止める人間との間のもので性別とかも全く関係ないし、俺はむしろ男が盛り上がってボロボロ涙流してるのなんか見るとテンションハイパー上がる方だから!!」