text●aco nagata
●もう夏の風物詩と言ってもいいだろう。ここ徳島の鷲敷町で毎年恒例となっている野外イベント『Exciting Summer in WAJIKI』。15回目を迎える今年は、メインアクトを勤めるアーティストも15回に引っ掛け総勢15人。最高の夏空の下、最高のシチュエーションでステージは幕を開けた…。オープニングを飾ったのは三宮出身の4人組みミクスチャーバンド『JABBA THE HUTT』。会場のテンションを掻き上げるようにノッケからハイテンションで突き進む感じは、まだまだ青臭い雰囲気は残すものの、音楽を心から楽しんでいるようで気持ちいい。続くは高知出身、四国ではもうお馴染みの存在となった『Noweed』。溢れんばかりのエナジーを、目眩くポップスに乗せて声高らかに歌い上げるVo.刈谷。何かが吹っ切れたのだろうか?明確に未来を指すベクトルに向かい、彼らの楽曲も一直線に伸びていくよう。会場のレスポンスも心地よく、彼らなりの手応えを得たのではないかと思う。ウオームアップも万全!ここからいよいよ真打ち達の登場である。まずトップバッターは『ロードオブメジャー』。四国でまだ徳島だけが未開の地であったという彼ら、今日のこの日を実に楽しみにしていたというだけあり、しょっぱなからガンガン飛ばしていく。お客さんもそれに負けじとガッツリ食らい付いて行く。中盤には珍しく椅子に腰を下ろし、しっとりとメンバー全員で聴かせた『春雨』。忘れていた何かを思い起こさせてくれる実に心がほっとする一曲。そして新曲『心絵』のプレゼント、ラストは「オレらのほんとに大切な歌を歌います」と『大切なもの』で会場全体大合唱。―続くFLOW、ゴキゲンなSEにのせて余裕の表情&自信漲る5人がステージ上へ。『ブラスター』『メロス』とノリの良い曲で既に会場全体を汗まみれにし、挨拶代わりに『太陽』をお見舞い。ここまで聴けば彼らがいかにライブバンドであるか、そしていかにライブを愛しているのかが、明確に伝わってくる。お客さんたちを乗せるテクニックはもちろん彼ら自身がライブを凄く楽しんでいて、観ているこちらがワクワクしてくる。ヒットナンバーを次々に繰り出し、振り返って見る客席には高揚した表情で団扇をかざす笑顔がいっぱい。「楽曲と同じくらいライブを大切にしている」と言った彼らの言葉に嘘はなかった。熱気と汗にまみれてもうこれ以上ないくらいムンムンの会場に現われたのは、本日のトリを勤めるORANGE RANGE。キリキリマイのRemixにのせて6人がいよいよステージへ!一段と沸き立つ歓声で迎え入れられたメンバー。ジャンプ一番、スタートは『中毒』から。これが新世代のチアフル・ミクスチャー・バンドの全貌!!3MC、YAMATO(High Vox)、HIROKI(MidVox)、RYO(Low Vox)から繰り広げられる予測不可能だがキレのよいヴォーカル群。レゲエの香り、またはファンク?いやソウルか?やっぱロックなのかも?などと例えようにも例えられない“もどかしさと楽しさ”それがORANGE RANGEの唯一無二の魅力かもしれない。一見涼しそうにしているが内に秘めたアツサが魅力のNAOTO(G.)&YOH(B.)、スマイリードラマーKATCHAN。キャラクター性も抜群、やはりこの6人は無敵である。最後は怒濤のヒットソングラッシュで阿波踊りもビックリな程の盛り上がりを見せ、会場全体を沸せたた彼ら。アンコール『奏重鼓』にて今年のWAJIKIは幕を閉じた。ブロック分けのカラフルな団扇がグリーンの芝生に映え、夏空に最高の笑顔が咲いた8月13日、来年の夏もまた…ここで。 |