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10/15-16@愛媛県民文化会館・メインホール text●aco
nagata
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これがサザンの底ヂカラ…!! 歌って・踊って・涙・涙の3時間。ロックの神様はここにいた!
●それが彼らの本意かどうかは別として、サザンオールスターズというバンドはまさに“国民的ロックバンド”の名に相応しい。日本中どこを探しても彼ら程のキャリアと名声を勝ち得たグループはいないだろうし、彼ら程実力と才能と才力を持ち合わせたアーティストは他に見当たらない。'78年にデビューして以来、現在までにシングル51枚、アルバムを14枚、そのどれもが記憶と記録に残る名曲達ばかりで、今さらながら、振り返ってみるとそのアチーブメントには驚かずにはいられない。作品を作り続ける事…そしてその楽曲が如何にクオリーティー高き傑作であるか。リリースされ、チャートの1位を飾る度、私は桑田佳祐の頭の中がどうなっているのかと、実に興味深いのだ。10/5におよそ7年振りにリリースされたアルバム『キーラーストリート』。2枚組、30曲収録という超大作も例外ではなく、新境地を開拓した素晴しい作品であった。(あれだけのグッド・ミュージックを生み出してもなお生まれてくるグッド・ミュージック、私はもうアルバムの前に土下座したいくらいの気持ちだった) 新しい時代へと続く道を歩き出した彼らは、この『キラーストリート』をお土産に、“SOUTHERN
ALL STARS Live Tour 2005 「みんなが好きです!」”と名打ち、5大ドーム公演を含む全11ヶ所21公演の全国ツアーを敢行!そして四国でのスケジュールも'99年のアスティ以来6年振りに発表された。開催地となった愛媛県では何と'92年以来の13年振り。どれほど多くのファンが悲鳴をあげただろうか?歴史的とも言える貴重なライブに幸運にも参加できた事を心から感謝したい。
現在もツアー中という事でここで詳しいレポートは避けたいと思うが、その期待を遥かに上回るものであったことは言う間でも無い。何故なら、終始私の腕の鳥肌は立ちっぱなしで、体中の穴という穴から大量のアドレナリンが放出されていたのだから・・・!!ここに集ったオーディエンス達の日常に寄り添い、優しく彩って来た往年の名曲はもちろんのこと、それを凌ぐ程熱いソウル注入で、アルバム『キラーストリート』からも新曲を惜しみ無く。ダンサーチームが登場して会場全体に華が咲けば、今宵の宴は沸点へ…。
誰しもが心を熱くする(した)思い入れの深い作品たちに頬を赤くさせ、拳を突き上げ、何とも言えない高揚感が辺りを包み込む。曲の持つ空気感や臭い、風までもが鮮明に表現された空間は、今までに感じた事のない“楽曲と我とステージと会場”との一体感だった。あぁ、これがサザンオールスターズというバンドの凄さなんだ!!改めて感じるマンパワー、改めて感じるサウンド・マジック、この光景が唯一無二のものだと理解した瞬間、今度は頭の先まで鳥肌が立った。誰の心にも眠る永遠の青春性、その普遍的な魅力は決して色褪せる事がない…それらを昔と変わりなく再現できるタフさと、更に色鮮やかに示現するバンドとしてのストレングスが、常にトップに君臨し続けるモンスターバンドの証なのだと実感した。しかもそのポテンシャルはまだまだ加速し続けているのだから…他の追随などできるわけがないか。
駆け抜けるようなイントロに酔いしれ、α波にも似た桑田佳祐の唄に目を閉じ、懐深きサウンドに身を委ねる。こんなにも幸福な空間は他に無い。だからこそ、これからも彼らのペースで、彼ららしい作品を作り続けて行って欲しいと切に願う。
何故なら、私もサザンオールスターズの魔法にかかった一人なのだから…。

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