Jazztronikとは野崎良太による、ジャンルに縛られないフリースタイルの音楽創造プロジェクトである。歌ものが、インストが、野崎独自のフィルターを介して生まれ変わる様はまさにミラクル。またプロデューサー、リミキサーとしては葉加瀬太郎や、Mondo Grosso、ゴズペラーズ、bird、中嶋美嘉らビッグネームを手掛けるという手腕を発揮。多才な活躍の中でベールに包まれた野崎良太の正体や如何に?!



「Jazztronikって、スーツ着てウッドベースの人がいて… そういうイメージを持たれる事が多いんですよ(笑) でもね、僕にライブやらせたら皆さんを3時間踊らせっぱなしですよ!」

―この世界に飛び込んだきっかけは、実は葉加瀬太郎さんだったと伺いましたが…
「(苦笑)…決定打は葉加瀬さんですね。というのも、高校時代に僕が凄く好きだったバンドが“KRYZLER&KOMPANY”という葉加瀬さんのバンドでして、もちろん他にも好きなアーティストは沢山いたんですが…。僕自身ジャズとかブラジル音楽とか、POPSも好きだったし、ダンスミュージックとか色んなジャンルの音楽に影響を受けて来たんです。だから大学は作曲科専攻でしたし、将来も音楽の仕事に就きたくて…その時たまたまインディーズのクラブミュージックレーベルで、色んなジャンルの音楽をミックスした音源(僕が凄くやりたかったもの)をリリースしてみたら面白いんじゃないかと言う話しがあり、Jazztronikのデモを作っていたんです。そんな時、葉加瀬さんのライブが東京のブルーノートでありまして…。当時の葉加瀬さんは丁度セリーヌ・ディオンとかとやってる頃で、すげーなぁー。どんどん手が届かない存在になるなぁって。で、思ったんですよ『ここならデモテープ渡せるかも』って(笑)」

―ちょっと待って下さい!!アポナシですか?!
「―(笑)そうそう。なかなかチャンスなくて。でもココまで来たんだから“コネもないし、音楽の仕事をやるんだったら今テープを渡すしかない!!”って。とりあえず、楽屋の入口まで行って、レコード会社の人間ですってウソついて…葉加瀬さん呼んでくださいって(笑)」

―大胆ですね〜〜!!で、どーなったんですか??
「そしたら暫くして本人が楽屋から出て来たんですよ。“すみません。気に入ったら一緒に仕事して下さい!!”ってテープを渡して…そしたら次の日、電話がかかってきたんですね“お前、何か面白いから来週から来い”って」

―凄ーい!!やっぱり才能ですよね!
「あと度胸もね(笑)」

―大学では作曲をっておっしゃってましたが、Jazztronikをやっていこうというきっかけは何だったんですか?
「実は明確にイメージがあったわけではなくて…当時HIP HOPが好きでクラブによく通っていたんだけど、今じゃもう有名になったRIP SLYMEとか、ソウル・スクリームとかがインディーズで出始めた頃で、面白いなぁって思ってて。同時に自分がシンセサイザーをいじるのが好きだったからテクノとかも聴いてて、実際に『トンガリキッズ』っていうテクノユニットもやってたんですけど…(照笑)。衣装は大人用の紙オムツっていうホントに変わったバンドで。ある日後輩に、“いい加減そろそろまじめにやったらどーですか??”って言われて、それもそうだなと。で、さっきも言ったような自分の好きなジャンルの音楽をクロスオーバーさせてやってみようかなって。それをインディーズレーベルに送ったのがきっかけですね。名前は、レーベルが海外に精通してたからやっぱり横文字がいいかなって(笑)。深い意味はないんですよ」

―やっぱりJazzから始まるのでそういうイメージを持ってしまいますよね?
「スーツ着てね(笑)。ウッドベースの人がいて(笑)そういうイメージ?でもライブやらせたら皆さんを3時間踊らせっぱなしですよ!ただ、Jazzって皆が思っているようなものではなくて、常に進化していってるものだから、そういう意味ではカッコイイですよね」

―実際Jazztronikの音も凄くカッコイイし!!何でもっと早く聴かなかったんだろうって…。
「まだまだ間に合いますから(笑)」

―野崎さんのプローフィールって見れば見るほど凄いですよね。ビッグネームの方々とのコラボとか…
「だから皆僕の事オジサンだと思ってるんですよね(笑)」

―接点ってどういう部分なんですか?
「やっぱりクラブですかね。業界の人や歌やってる人とか沢山来ますから。大沢さん(Mondo Grosso)とは僕のレコードをたまたま聴いてもらったというのがきっかけで、ゴスペラーズはレコード会社の方からオファーが来たり…」

―昨年11月にリリースしたMAXI SG『MADRUGADA/TIGER EYES』でフィチャーしたCORE OF SOULの中村さんなんかはどちらで?
「そうそう、彼女とはクラブで会ったのがきっかけですね。彼女の歌を聴いて凄く僕が作りたい作品のイメージに合うなって。作品のテーマが“情熱”だったのでそれに合わせて詞をつけてもらってんだけど」

―なんだか時々人と人の繋がりって凄いですよね
「繋がりでもっと凄いのがこの中の3曲目と4曲目なんだけど、もともとスパニッシュとかラテンのものをずっとやりたくて、でも技術的に凄く難しいからやれずにいたんだけど、たまたま今回いい方に巡り合えてやろうよ!って。で、4曲目の『VERDADES』はキューバ人のコーラスを入れたくて人探しをしていた時に、“まさにコレ!”というレコードを見つけて、裏のクレジットを見たんですよ。そしたら僕のイタリアの友人だって(笑)。その場で早速メールを打ちましたね“来週ヒマ??”って。かくして渡英し、レコーディングを決行したという…(笑)」

―楽曲もそうですが、やはり活動もワールドワイドですね。海外でのリリースも成功されてますし、もともとそういう強い意志みたいなものってあったんですか?
「ありましたねぇ(笑)。だからこそ最初に海外でもリリースできるレーベルを選んだんですよね。まぁ日本のレコード屋さんでは最初僕がやっていたクラブミュージックっていうのはあまり受け入れられなくて…それが海外へ渡ると評価してくれるDJが沢山いて。チャートにも入って来るようになったんです。向こうでブレイクし出すと日本人てそういうの弱いから…Jazztronikっていう凄いバンドがいるらしいよって(笑)」

―野崎さんの押し出す“ノンジャンル”というスタンスがやはり日本では珍しいなって
「うん。日本ではやっぱり前例がないからきっとレコード会社も宣伝の仕方が分からないと思うし、皆まだよく分かってもらえてないんですよね」

―でも野崎さんは、他人と同じ事やっているような器じゃない!!
「ははははは。そうだね。同じ事やっててもしょうがないから(笑)」

―さてさて2/9には初のMIX AL『JAZZTRONICA!!』が発売予定ですが…
「オリジナルのフルALではないんですけど、僕が普段クラブでDJをやっているようなものが収録されているのでなかなか面白い作品ができました。ジャケットが凄く可愛いので要チェックです!!女の子のハートを確実に射止める自信があります!!(笑)」

―HPでは新人の発掘にも力を入れてらっしゃいますよね?
「僕が葉加瀬太郎さんにデモテープを持って行ったっていうのがあったのと、やっぱり今そういう場があまりないから…これは是非書いて欲しいんだけど、レコード会社とか事務所にデモテープ送りつけても皆ホントに聴いてないからね!!だからこそ僕がそういう場を提供したかった。中には明らかにそれは僕に送らなくても…っていうのもあったりするけど(苦笑)」

―そこから動いたものってあります?「ありますよ。福岡の子で。僕が福岡でライブをやる時は必ず出演させてます」

―そうやってどんどん新しい人材が生まれたり、新しい事が動き出すって素敵でよね。では最後に、素晴らしいALSGが発売となる2005年の豊富を!
「昨年は目紛しく動き回った1年だったので、今年はもう少し腰を据えて色んな事にじっくり取り組みたいです。このALのあとSGも出す予定なのでそちらも楽しみにしていて下さい。一人でも多くの人に僕の音を聴いて欲しいですね!」






●MAXI SG
『MADRUGADA/TIGER EYES』
NOW ON SALE!

 


●MIX AL
『JAZZTRONICA!!』
2/9 ON SALE!


aco nagata