型にハマらない。コンセプトを持たない。常に自由なスタンスで進化し続けるバンド・ORANGE RANGEは、“今”という時代を実に見事に映し出す、最もクリエイティブなアーティストだ。独特の言葉使いや、多種多様な音楽性、いい意味で力の抜けたスタイルは、これから先も予測不可能!!可能性∞!!会心作の2nd AL『MusiQ』を完成させ、初のホールツアーも決定した彼らに今の心境を聞いた。

「こんなに離れた場所(沖縄と香川)でも1曲を通じて一つになれる、あの空間が感動的です!お客さんはもちろん、ライブは自分達自身も楽しみたいです!」

―ノンジャンルと言いましょうか??とにかく幅広いテイストを持ったALが完成しましたね!
HIROKI(以下/H)「そうですね。今回だけじゃなくて、常にこのバンドのコンセプトは“コンセプトを作らない”ところがコンセプトなので…。とにかく何でもチャレンジして、ダメならダメで却下すればいいし、自分達が思い描いているものと180度違う作品ができたとしても、それはそれで楽しんじゃないかっていうのがあって…とりあえず今出来る事っていうのを詰め込んだ感じです」

―SGで表現してきたものが集合する事で、よりORANGE RANGEのやりたい事が見えて来る1枚になったと思うのですが?
H「SGだけ聴くと、ORANGE RANGEって本当に何がやりたいのか分からないと思いますね(笑)。でもこの1枚(AL)で聴くと対極にある楽曲の中間の役割をしてくれる曲もあるので僕らの輪郭は掴めるんじゃないかと思います」
KATCHAN(以下/K)「ALだと色んな曲ができて、色んな事に挑戦できるので…この1年の僕らの成長とかが凄く詰まっているんじゃないかって」

―まるで6人の音楽性がガチンコしたってくらいカラフルな作品ですが
H「お互いを否定しないというか…最初にG.のNAOTOが楽曲を持ってくるんですけど、ホント“なんじゃこりゃ!”っていう感じなんですね。でもそれは僕の中にないからそう思うわけで…。あとはその土台にKATCHANのドラムが加わり、ベースが加わって、最後に歌入れという感じなんです。だから個人の色がいぱい出て来て最終的にはメンバーもどう転ぶか分からない状態(笑)。それが楽しいし、逆に新鮮さを保ちつついいテンションでやっていける理由なのかなって」

―歌詞にもそういった“なんじゃこりゃ!”的な言葉遊びの面白さがありますよね
H「“ダサカッコイイ”っていう言葉をあえて狙っていまして…例えば“ナウ”とか“ヤング”とか。ちょっとブームを過ぎていて、でもその時代を生きて来た人からすれば懐かしかったり、今の人からすると逆に新鮮だったり…そういう部分を常に意識してて。これは歌詞だけではなく楽曲にしてもなんですけど、そういう“時代のツボ”を追求していきたいですね」―『男子ing session』とかタイトルも文字で遊んだりして目で見ても楽しめます(笑)
H「ホントに…(笑)。誰も止めないんですよ。回りの大人がホントに子供みたいな人達ばかりなので(笑)」

―人間関係も含め、回りの環境が凄くいいんでしょうね
H「そうですね。レコーディングも今回ほとんど沖縄でできたので、凄くリラックスしてやれました」

―ストレスフリーの結果収録数19曲!ヘタしたらAL2枚分!
H「最初24曲くらい出来てたんですよ。これじゃぁ楽曲があり過ぎるからって、削って19曲に。1年くらいかけて楽しみながらいい緊張感を保ちつつ作っていけたので、気が付いたらこんなに出来てたっていう感じですね」

―曲順とか悩みませんでした?
H「かなり…(笑)『花』とか『ロコローション』とかってやっぱり全く違うテイストなので、『ロコローション』の後に『花』を持ってくるとめちゃくちゃ説得力無くなってしまうんですよね(笑)。そういう意味で俺達の曲は矛盾しているというか…“ゆっくり行こうよ”ってのもあれば“今しかない”っていうのもあって。1枚のALにするとなると凄く大変です。ただそれがいい意味でこだわりがないというか…だからこそ逆に固まったイメージにならないんだと思うし、1曲1曲を役者感覚で割切る事ができるのもいいのかも…」

―それぞれの楽曲に合わせて演じるみたいな感覚?
H「それが自分の中でも楽しいんです。変なプレッシャーもないし。やっぱりいろんな人に聴いてもらえるように、役者的なキャラ設定をしてやっていくという感じです」

―なるほど。それが80年代の香りが漂うダンスミュージックだったり、ファンクだったり、ジャズだったりテクノだったり、ロックだったり…中にはZAZEN BOYSを彷佛させるような祭り囃子的なものもあったり!
H「あっ、でも実際そうなんですよ。モンスターバッシュでZAZEN BOYSさんのステージをNAOTOと見てて、めちゃくちゃ感動して…で、帰って来てレコーディングの時に聴いてみてって言われて…めちゃZAZEN BOYSっぽいんですよ!!」

―やっぱり純粋に感動したものを素直に吸収して楽曲を作っていくというスタンス?
H「いいものはいいので。よく◯◯みたいになりたいって言うけど、◯◯にはなれないんですよね。だからそれっぽいものをいつも目指して。ロックだったらロック!ファンクだったらファンク!たまに変なバッシングを受けるんですけど(笑)。俺達は胸張ってニセモノです!!って言えるので。◯◯みたいだねっていうのは案外ホメ言葉だったりするんです(笑)」

―それが所謂、レンジらしさ?ってヤツですかね。ORANGE RANGEっていう独立したジャンルができつつあるような…H「いいですね!タワレコとかTSUTAYAでそういうジャンルができると(笑)。最初からカッコ付けなかったのが良かったのかな?凄く自由にやらせてもらって、だからこそイメージの違うSGをリリースできたり、色んな事に挑戦できたのかなって」K「いい環境にいるなって…そう思えるのはこのメンバーだからだろうし」

―それ、大事ですよね!そんないい環境を大切にするからこそ、活動拠点はこれからも沖縄なんですよね?
H「そうですね。それは変わらないと思います。東京に出た時はかなりキテる(せっぱ詰ってる)なって思って頂いても(笑)」―さてさて、初のホールツアーが決定していますが、どんなステージにしたいですか?
K「ホールツアー自体が初めてなので、まだ自分達の中でもどうなるんだろう?!という感じですが、ホールの良さを生かして、お客さん一人一人がゆっくり見てもらえたらいいかなって。ライブハウスだと子供さんはぐちゃぐちゃになったりするから…。」
H「で、自分達も楽しみたいですよね。いつも思うんですけど、こんなに離れた場所(沖縄と香川)でも1曲を通じて一つになれるあの空間が感動的で…皆さんよりも少し高いステージで歌ってますけど、俺達自身もお客さんからもらうモノが沢山あって、それで元気になれて次の作品にも繋がっていくと思うので…ココ高松にも何かもらいに来ます!!“何かちょーだい!”って感じで。でもうどんは投げないで下さいね(笑)」

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aco nagata