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3/3(木)高松DIME
text & photo●aco nagata
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DOPING PANDAロックスターと、ネガティブ・シンドローム、2つのバンドが魅せた究極のオモテとウラ。
 
DOPING PANDA
ART-SCHOOL
●DOPING PANDAのTour 05 "CABARET GOLDEN NIGHT"に途中合流し、四国シリーズを共にしたART-SCHOOL。この夜、私は2人の天才と出会う事になる。先発は濁流の中の浮島の如く独特の世界観を表現するART-SCHOOL。虚無や死、生きて行く中での喪失感などを代弁させたら右に出るものはいないであろうVo.木下理樹のソングライティングセンスに脱帽。メロディに絡み付く甘美なギターリフまでもが儚く、その光景はまさしくネガティブ・シンドロームの敬称に相応しい。
一方自称(通称)“ロックスター”と名乗り、オープニングからハンドクラップ、いきなりステージとフロアを一体化させるフロントマン古川。そこに寡黙ながら職人技とも言えるスラッピングでリズムを刻む北條とサンプラーを巧みに使い分ける隼人のドラム、挑発的とも言えるそのミクスチャー感覚で圧倒的なアイデンティティを見せつけるドーパン。最高にPOPで、PUNKで、華のあるライブパフォーマンスはまさに“ロックスター”そのもの。
この似ても似つかないような対極にある2つのバンド、実は互いにリスペクトし、プライベート空間をも共有する仲だと聞いた。最初は耳を疑ったのだが、究極なほどに対極にいるものこそ実は紙一重の存在なのでは無いかと…彼らを見ていると凄く重要な事に気付く。ネガとポジ、陰と陽、短所と長所、裏があれば表があるように、比較対象にあるものは常に背中合わせで存在する。大切なのはどちらが良くて、どちらが悪かではなく、そのどちらが自分にとって本当のウラとオモテなのか。
不器用さ故にネガティブを貫いたART-SCHOOLも、器用が故にナルシズムを貫くDOPING PANDAも、私にはどちらも愛おしいバンドに思えた。そう思えたと同時に自分の中に存在するウラとオモテについて自問自答してみる。そうか、もっと自分を認めてあげるのも悪く無い…。私の中のロックスターとネガティブ・シンドロームが目を覚ました。
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