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7.6(wed) @高松オリーブホール    text●aco nagata
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現実?! それとも夢?! 

彼らが創り出した宇宙空間“OZ”には天動説も地動説も通用しない!!
そこにあるのは100sがアウトプットさせた真の音だけ。

写真/中川正子


“100sというバンドの持つポテンシャルは間違いなくコスモ・クラス(宇宙規模)だ!!…”
今年1月にリリースされた100s名義では初となるアルバム『OZ』を繰り返し聴きながら、私は何度心の中でそう叫んだだろう!そして今回のライブでも…。

 薄明かりの中、浮かび上がるステージは『ZEN JAM』でスタート。待ちわびたオーディエンスの逸る気持ちを包み込むように阿吽の呼吸で加速していく楽曲。緩急付けたセットリストと巧みなライブパフォーマンスは、観るものの心を捉えて放さない。ドラマチックなサウンド展開、ありえないようなドラム・プレイ、目の覚めるような楽曲アレンジ…メンバー6人のアイデンティティーを反映させる事で、そこには宇宙規模の広がりが存在していたし、“韻と音と因”が絶妙に絡み合う事で生まれる“まじない”のような言葉の数々には時間の概念が失われていくようだった…。心地よい楽曲たちに身を委ね、客席と100sが一体となって呼応する空間、ボルテージが沸点に達する頃、ステージ・バックに配置されたミラーに映し出される会場の光景といったら!!…それは夢なのか現実なのか、それ自体が本物なのか?!存在するのか?!まさに空想の世界と現実の世界を行き来しているような不思議な感覚…。そうだ!この感覚こそが、100sが『OZ』というアルバムを通して表現したかった全てではないかと…。私が感じていた果てしない宇宙感みたいなものは、きっと、時間軸にかけられた100sの魔法のせいだ。そしてそれは中村一義がソロ時代からずっと持ち続けてきたテーマであり、同じ志を持つ仲間達と出会った事で、より明確なものになったからこそ、この壮大なテーマを形にすることができたのではないかと思う(形にしてしまえる事自体が宇宙規模過ぎて怖いけど…)。
 現実世界と空想世界、そこに真の普遍性が存在するならば、それが“音楽”であって欲しい。いつの時代も、どの世界でも、音楽があらゆるものを救ってきたように。そして100sがこのライブで証明してみせたように。トリプルアンコールが鳴り止まない会場で、『なのもとに』を合唱するオーディエンス達。蛍の光のように点在し、幻想的に浮かび上がるスポットライトが、私には現実と夢想の境界信号にも見えた…。ここから…アウト…。

1.ZEN JAM
2.Honeycom.ware  
3.バーストレイン
4.ラッタッタ
5.B.O.K
6.ここが果てなら
7.Sonata
8.セブンスター
9.扉の向こうに

10.OZV
11.光は光
12.A
13.いきるもの
14.新世界
15.またあした

En1.魂の本
En2.1,2,3
En3.キャノンボール
En4.バハハイ