|

多方面で精力的に活動を続ける藤井フミヤのAL「奇妙な果実」は、原点回帰となる「ラブ・ソング」をテーマに様々な大人の愛をうたう。「シンガーに徹する」というもうひとつのコンセプトをもとに、新境地を開拓する話題の作家陣を配した意欲作。秋のライブでは"じっくり歌を聴かせに"やってくる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
interview●門屋奈緒
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
人間というものは孤独で寂しいもの、それを達観した大人による大人のためのAL。頑張りすぎてんのも傍目にはカッコ悪いしね。
●「思い切った人選だったんだよね、作詞家の方達は」。
思い思いに熟した果実のような様々な愛の形を、歌の力で表現するというストレートな命題に取り組んだ結果、作詞初挑戦となる直木賞作家・石田衣良をはじめ、YOU、堂島孝平、河口恭吾、PANTA、下田逸郎、奥野利幸(Daily-Echo)、服部祐民子などの興味深い作詞・作曲陣との顔合わせが実現した。
「一度まな板の上に乗って好きに料理してもらい新しい可能性を見つけたかった」。
数百曲もの候補曲から丹念に絞り込まれたミディアム〜スロー中心の楽曲が藤井フミヤのボーカルの素晴らしさを改めて浮き彫りにする。
「昭和歌謡ロックのようなものを作りたかった。文学的な香りがしたり、単館系の白黒映画みたいだったり。しかもポルノ映画監督が"今度お前は青春映画撮れ"って言われたようなちょっとB級青春映画みたいなね。
作家陣にはそのイメージを伝えて臨んでもらいました」。
果実という言葉は女性を連想させる。実り熟し、甘い匂いを放ち、そしてそれは危険な香りにも。そんな果実がこのALの様々なシーンにちりばめられている。
「そこにエロティックさがあって果実のイメージと結び付いたんだよ。ただ、モギたて果実というよりは、むしろ熟して木から滴り落ちる感じだよね(笑)」。
まるで作者の違ういくつもの恋愛短編小説を読んでいるような、そんな錯覚さえも味わえる構成がとても新鮮だ。
「あまり作りこんじゃうと面白くないんだよね。パーツは用意するけど最終的には聞く人の感性に委ねる。現代アートみたいに観る人の感性で変わりどんどん想像していくような」。
ヒップホップやパンクなど今の若者主流の音楽が溢れる中で逆に新鮮に響く楽曲たち。
成熟した大人にしか味わえない情感に満ちた妙味がそこにはある。
「やはり20代後半〜30代の大人の人に聞いて欲しいよね。俺とか、30代のいわゆる負け犬世代と呼ばれてるような人たちが、会社から帰って来てパーンと冷蔵庫開けて350mlのビールをスパーンと空けて「まいっかー」とか言いながら聞くみたいな(笑)」。
曲の主人公が恋愛の一人称ではなく人のそれを語る第三者的感覚が今までにない関わり方のようにも感じる。
「前向きなものはほとんどなくてぜんぜん励ましてくれないALなんだよね。そういうのはもう過ぎた感じしない?いい大人になって人から励まされると恥ずかしい所ってあるじゃない?私も頑張ってるわよ、みたいな。
人間というのは孤独で寂しいもんだからそこら辺を達観した感じというかね」。
3年ぶりの四国ライブを含む全国ツアーが3ヶ月に渡り行われる。
「今までの歌え騒げ踊れ!みたいな大騒ぎライブじゃなくぐっとアダルトになります。映像も入れながらアートな感覚。グッときたい、ジンとしたい、そういう人はより満足できるはず。自分へのご褒美という感じで日常を離れてライブという空間に歌を聞きに来て欲しいね、全然違うものがそこにはあるから。」
★NEW
AL「奇妙な果実」 NOW ON SALE
●Fumiya Fujii Concert tour 2005 "Love Songs"
9/10(土)松山市民会館
9/11(日)鳴門市文化会館 |