

高知に産まれ、高知を愛し、高知に根付くシンガーソングライター。4枚目となるフルアルバム『あいのうた』は、流通をメジャーに戻し、サウンドプロデューサーに島田昌典を迎え、奥ゆかしき愛のコンセプトアルバムに。
interview&photo●aco nagata
★ LIVE!
11/10(月) 松山MONK
11/11(日) 高松SPEAK LOW
■今年活動10周年を迎えた矢野さんですが、改めて振り返るといかがでしたか?
「17から歌い始めて、地元高知の歌小屋や高知での生活がなかったら今の私の音楽活動は成り立っていないと思うので、とても感謝しています。この10年で培った価値観や出会った歌で、死ぬまで私は、私で居続けられると思うので。私の人生で一番濃い部分の始まりって感じです」
■歌に出会う前の矢野さんってどんな感じでした?
「凄く歌が下手で。音痴でした(笑) 始めてやったライブなんか特にふにゃふにゃ歌ってて…」
■ちょっと想像がつかないですね(笑) 何のきっかけで今のスタイルが確立されたんでしょう?
「やっぱり周りの影響じゃないですかね?男の歌い手さんが多かったですから、そこに負けるものかと。女の子の可愛らしさで勝負するのではなく“土佐のはちきん”の精神で」
■お話するととてもおっとりしたイメージなんですが、実際のステージでは男っぽい印象が強く、そのギャップに戸惑いました
「よく言われます(笑) ギャップが凄いって。でも実際に今までは男っぽさとか、少年ぽさでやってきてる部分があったので」
■それがまた今作の『あいのうた』では非常に女らしい世界観が表現されていて…ジャケット写真なんてモロ“女”!何か心境の変化でもあったのですか?
「特にここ一年で女性としてもっと考えなければならないことがあるんじゃないか?と思うことがあって。自分なりに考えてたんですよ。それで今回の作品は“ラブソング”“愛”というものをテーマにして、私の中の女らしさを引き出すように取り組もうと」
■何故このタイミングで?
「ミュージシャンに限らず、絵描きさんや小説家、写真家の方々等アーティストである限り、“愛”てやっぱり表現してみたい題材なんだと思うんですよね。私もそうで…。ただ自分がやりたかったのは大きく捉えて歌う愛ではなく、身近な恋愛。一対一というか。恋って何も無いところで凄いパワーが生まれたりするじゃないですか?そういう身近なところでなくてはならないパワーみたいなものを、矢野絢子が色んな角度から捉えてみたらどうなるのかな?って」
■今まで取り組んでいなかったからこそやってみたかったというのもあるんでしょうか?
「今までは照れくさかったというか…。いつも季節のテーマ事にライブをやっているですが、今年の1~2月に行ったテーマが“恋人”で、その時は何故かとてもすんなり入っていけたとうか。周りの評価が高かった歌も恋愛をテーマにしたものが多く、丁度そういうモードに切り替わってきたというか。やってみよう!と。髪の毛を伸ばしたのもそういう影響があったからなんですよ」
■島田さんとは一緒にやってみてどうでしたか?
「色んな決定権を半分半分にしてたんですね。その事によって自分では絶対に思いつかない斬新なアレンジや、自分の声でコーラスを入れるという新しい試みができました。よりポップな作品にしたかったので、ていうかなってますかね(笑)?」
■個人的には前作がダークな印象だったので、開かれた作品というか、それが=ポップスなのかどうかは分かりませんが、矢野さん流のポップスってこうなのかな?っていうのは感じました
「実際作り出すと何かポップスなのかな?って分からなくなるので、そういう風に捉えて頂いているのは嬉しいですね」
■それはやっぱり前作があったからこそ…っていう
「そうですね。やっぱりああいう突き詰めた感じのダークな作品を作ったからっていうのはありますね。でもどっちも自分のやりたいことなんで、これからもそういったバランスを取りつつ楽曲を作れたらいいなと思ってます」
■さて、四国でもライブがありますが、今回はどんなステージに?
「アルバムメインのピアノ一本でちょっと愛などを語ってみようかなと思ってます(笑) 最終日が高松なので、パワーをそこまで貯めておいて出し切りたいですね」

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