
ノーラン・クボタ
at firstにバレエ教室のドアをknock! knock!したのは4 years oldの時。以来ずっと踊り続けているノーランが辿りついたのは、“史上最強”の元祖・男性コメディ・バレエ団、トロカデロだった。去年は英国批評家協会ダンス賞で最優秀作品賞を受賞するなど、このバレエ団、やはりタダモノではない。
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interview & photo●門屋奈緒
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stage!
2007/7/18(水)高知県民文化ホール
2007/7/20(金)松山市民会館
2007/7/21(土)香川県県民ホール
2007/7/22(日)鳴門市文化会館
●去年の日本公演以来2度目の来日。「日本は世界で1番!」と言い切ってくれた。「トロカデロを一番熱心に応援してくれているのは日本のお客さんなんだ。笑い所もよく知ってて、踊ってるこっちもノッて来るんだ。ステージに花を持って来てくれたり、公演後楽屋出口で待っててくれて、写真やサインや握手を求めて来たり、そんなに熱心なファンの方がいらっしゃるのも日本だけだよ。」地元の劇場で『くるみ割り人形』のバレエを見たのをきっかけにバレエに興味を持ち、4歳でバレエを習い始めた。「踊りそのものより、実はコシチュームに衝撃を受けたんだ。とにかくステージ上に色が溢れていてその美しさに魅了されたね。あんなコスチュームが着たいからバレエを習いたいとお母さんに頼んだんだ。そこでお母さんがいろんなバレエ学校に頼んで回ったけれどあまりにも歳が若いということで断られ続けたんだけど、『この子バレエがやりたいって大騒ぎして家で大変なんです、助けてください』と泣きついて(笑)、やっと受け入れてもらったんです。そして最終的にトロカデロに到達できたということは究極の形だと思っています。もちろん今はコスチュームだけでなく踊りそのものを楽しんでるよ。」トゥシューズを履いて踊る事も、女装やメイクアップももちろん初めて。メイク方法は自分なりに試行錯誤して創り上げてきて今は「最強進化版のノーラン!」だそうだ。そんなノーランの役どころや見せ所は?「僕は舞台上では3枚目のキャラクターなんです。『白鳥の湖』で4羽の白鳥がコミカルな動きをするシーンがあるんだけど、ここでしっかり笑いをとる役なのでご注目!!自分で気に入っている動きは、トゥシューズで、トゥ(つま先立ち)の状態でピョンピョン跳ねながら動くところ。難しいんだよー。」2005年にトロカデロに入団して1年8か月。中でも印象深かったのは、自分が生まれ育った故郷の町での公演。「プロのダンサーとして、トロカデロ・バレエ団の一員として、家族や昔からの知り合いみんなの前で踊れたという事は幸せでした。」プロダンサーの彼にも笑える失敗談があるとか。「ロンドン公演でステージ上で顔面からコケてしまったんだ。後ろに他のダンサーが2人いて、普通なら人情としてうまく助けてくれそうものを、その2人はなんと僕をピョンと飛び越えて自分たちだけでポーズを決めてステージから消えてしまったんです。わざとコケたようにここはうまくまとめなければと、立ち上がって怒ったような振りをして、ドンドンドン!と舞台袖に消えて行ったんですが、その2人に『さっきは助けてくれてありがとう!』ってイヤミを言ってやりましたよ!」こんなハプニングンがますます笑いの渦を巻く。そう、彼らは笑いのプロでもある。さて、創立33周年、23回目の来日公演、今年はどんなステージになるのだろう。「トロカデロもメンバー交代、世代交代が進んでいて若いダンサーが多くなったので、今年の公演はエネルギーに溢れた若々しくて楽しいツアーになること請け合いだよ!とにかく一度見に来てください!」

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