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NEWS PRESS ー 新着情報 ー

【稲川淳二】インタビュー!

DOMO PRESS

2022/07/01

稲川淳二 interview
1993年のクラブチッタ川崎公演から数えて30年目。恐怖と感動を引き連れて、今年もあいつがやってくる…。稲川淳二の怪談ナイト、なんと今年は記念すべき30周年!ひと夏も休むこと無く走り続け、公演で語られた怪談は480話となった。毎年新作を用意し、我々に多くの感動を届けてくれる稲川座長に、今年の見どころなど話を聞いた。
text●aco yamazaki

MYSTERY NIGHT TOUR 2022
稲川淳二の怪談ナイト ~稲川怪談30年連続公演~

7/29 (金) 高知県立県民文化ホール・グリーンホール
7/30 (土) 松前総合文化センター 学習ホール(愛媛県)
7/31 (日) 香川県教育会館 ミューズホール(完売御礼)

※公演の詳細はコチラ
https://www.duke.co.jp/ticket/detail/3515


●30年連続公演と聞いて稲川座長が走り続けて来た長い道程に思いを馳せていた。一番最初にインタビューをさせて頂いたのが今から丁度5年前、25周年の【古希】を迎えた公演だった。当時はこれから先何年怪談を続けることが出来るか分からないけど…と仰っていたが、毎年毎年更にパワーアップした稲川さんのお話を伺う度、逆に若返ってるんじゃないか?!と錯覚するほどその言葉やストーリーはブラッシュアップされ、多大なエネルギーを注入してこられたと思う。一言では語れないこの30年。続けて来られた理由とは一体何なのだろう?
「稲川座長の人柄。一度会った人は好きにならずにいられない人間力!これが大前提にあると思います。そして稲川さんの怪談が、長い年月の中で怖さだけを追求して、来場者に恐怖を押し付けるというものであったならば、ここまで続くことはなかったでしょう。怪談の先駆者として誰もが認めるオンリーワンでありながら、稲川さんは不思議な話や悲しい話を決してカルトな方向へ持って行かなかった。それは母親譲りの怪談というものの本質、懐かしさや優しさを理解されていたからだと思います。怪談を使って、人の思いや尊さ、愛を語る。来場者の中には話を聞いて泣いて帰る人も。一年でも長く私達の心に響く怪談を語って欲しい…そのような多くの声がある」と語るのはずっと側で稲川さんを支えてきた制作・演出を手掛ける本田さん。長年稲川さんをずっと見てきたからこその言葉の重みは流石、聞いていて頷くばかりだ。
怖い話を聞きに来たはずなのに、お客さんは公演後いつも優しい笑顔で帰路に着く。年に一度の帰省、故郷での夏休み、そこで毎年開催されている縁日、幼少期の自分に出会えたような愛しい気持ちになれるのが、稲川淳二の怪談ナイト。多くの人々を惹きつけ、続けて来られた理由なのだろう。そんな30年の中で480話という怪談が生まれ、911公演が行われた。初期と今を比べると稲川さんの中で何か変化というものはあったのだろうか?
時代が変わるということは、コチラが変わらなくてもね、社会が変わったり、生活様式が変わると状況が変わってくるよね。ツアーが始まった頃に公衆電話の話しをしていたんですが、今は見かけませんよね。それから襖もそう。蚊帳なんかはどんなものなのかその状態をよほどわかりやすく説明しないと伝わらないですよね。怖さ以前の問題になっちゃう。逆にスマートフォンの話やパソコンの話がないのかっていうのは考えちゃいますよね(笑) そんな中でも怪談を聞きに来て下さるお客さんの中には私よりも先輩の方もたくさんいらっしゃってね。一緒にお孫さんと面白かったねぇって帰って下さるのは凄く嬉しくて。怪談っていうのは時代とか年齢とは関係のないところで常に日本人の背景にあるものなんだなと思いますよね。都会に生まれて田舎の風景を知らない人でも日本の田舎を知っていますし、季節が来てセミが鳴いたり、とんぼが飛んだりという情景は見なくてもなんとなく予測がつく。また今は夜になって真っ暗闇になるっていうことはほとんどないけど、夜の真っ暗闇っていうのは意外と想像ができるんですよね。話しそのものっていうのはきっと変わらずその状況にずーっとあって、周りだけが変化していく。そういうことなのかなぁ」
変わることと変わらないこと。周りがどれだけ変化しても人間の魂は変わらない。そんな中に生き続けているものこそが、まさに“怪談”。昔から当たり前にそこにあり続け、これから先も人間の魂と共にあり、きっと私達に様々な気づきを与えてくれるのだろう。
今年は7/9(土)宇都宮〜11/6(日)那覇まで全国41会場50公演、ファンの期待を裏切ることなく、新作怪談を90分・心霊写真解説30分の2時間公演を敢行する。昨年、一昨年と新型コロナウイルス感染対策により仕込みや設営時間を短縮しなければいけなかった為、今年は3年振りに大きな会場では立体感のあるフルセットを観ることも。やっと!という思いが公演への期待を大きくする。さて見どころは?
「今年は【元気な怪談・明るい怪談・ミステリアスな怪談】というのがあります。明るい怪談って怖くないんじゃない?って思うでしょう(笑)。いやいや、明るいって怖さなんですよ。日差しがあたるでしょ?そしたら影ができるでしょ?日差しが明るければ明るいほど影って濃くなるんですよね。それからね、こんなに楽しい・こんなに嬉しいっていうこの瞬間、わぁ終わらないで欲しいっていう感情は人間不安になるんですよね。幸せすぎると不安になるなんて言いますよね(笑)。 それからミステリアス=謎。解いていいんだけども解くとなんか怖いな?…でも知りたいなという時に何かがだんだんと展開して行く。少しだけお話するとね、年に何回かある満月の中でも特別大きいスーパームーンっていうのがあるんですが、その時の月の波動と人間の脳波は近いものがあるっていうんですよね。感覚の鋭い方はどうやら幻覚を見るようなんです。ヨーロッパではその月明かりで眠ってしまうと必ず怖い夢を見るって言い伝えもあるくらいなんですよ。魂を持っていかれて自分が自分じゃなくなるっていう話もあるんだけども、今回はそのスーパームーンの夜に日本で起こった不思議な話、幻想なのか幻覚なのか真実なのか…、そんなお話を紹介させて頂こうと思ってます」
光と影、幸せすぎると不安になる、解いたら怖いけど解いてみたくなる、人間の表裏一体など、なかなか好奇心をくすぐられるワードがたくさん登場したのだが、まさにそのワクワクとゾクゾクの両方を楽しむことが出来る稲川さんの新作怪談、少しお話を伺っただけでも今から既に楽しみで仕方がない。今年から後期高齢者の仲間入りだなんておどけていた稲川座長、75歳を迎えてもこの想像力と執筆力、頭の下がる思いでいっぱいだ。まさにレジェンド、生きる伝説として怪談への飽くなき追求はまだまだ続きそうである。
「この歳になってふっと気づくことがあって、人間っていうのはまだ進化や進歩というのかなぁ…覚えることっていうのがあるんですよね。私がこの年齢になって感じることは“今が大事”だということ。若い方もそうなんですけど、明日死んじゃうからとかそういう意味じゃなくて、今この時を大切にしておかないと、次の時それがいい思い出にならない。何気ない普通の生活のことが今こんなに懐かしい。あの時はその今があったんですよね。これからもそんな今が続いて行く。だからね、私はこの時この瞬間を大事にしたいんですよ。例年舞台では本当に楽しい今を皆さんと共有して、それはまた大事な今になるんですよね。昔以上に私は今この瞬間を大事にしていますね。だから怪談に対する思い入れも今この瞬間、この会場でしかない雰囲気を大事にしています。これからもそうしていきたいと思っています」
30年経ってもなお進化し続ける稲川怪談。そこには相手(お客さん)を思いやる心=“思いやり”が全編通して普遍的なテーマとして描かれていて聞き手と稲川さんの間には大きくて深い“愛”が溢れているのだと思う。まさに相思相愛。
「自分ではあまり気づいてはないんだけどね(笑)。昔は娯楽のない子どもたちの楽しみって爺ちゃん婆ちゃんに聞かせてもらう怖い話だったんですよね。それを聞いては『おっかなーい!』って言って。夜は一緒に布団に包まる。貧しい生活だったけどその怖い話とお爺ちゃんお婆ちゃんと一緒に過ごす時間はこの上なく幸せなんですよね。それってきっとお互いの思いやりなんですよね」
今年もこの上なく幸せな空間へぜひ。お馴染みの方も初めましての方も30年目の稲川怪談を今こそ堪能してみて欲しい。

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