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四星球インタビュー【2】

2017/02/01

四星球 ----interview②
【ベース&リーダー:U太】【シンガー&作詞:北島康雄】【ギター&小道具:まさやん】【ドラム&ポセイドン:モリス】 
 
 

 
■AL『メジャーデビューというボケ』にも登場するビクターの横田さん!?
北島「そうです(笑)話をもらったのは2015年の9月か。Dragon AshとTOWER RECORDSがやっていたライヴ・イベントですね。ただ、横田さんは過去に僕らの事をよく知っていたわけではなく…そのイベントでも僕らを観に来たわけでもなく…何ならトイレに行って帰って来たらフロアが凄い騒がしいぞ?!って。そもそも横田さんはDragon Ashの担当さんで、Dragon Ash や、MAN WITH A MISSION、10-FEETのお客さんが多い中での、僕らのライヴが今まで見た事もないような光景だったらしく。まだこういうやり方が音楽のマーケットの中で存在して成り立っているんやっていう事に衝撃を受けて、お客さんの顔を見た時に可能性を感じたと」

■横田さんにとってもその日のライヴは運命的だったのかもしれないですね
北島「その日の打ち上げでファンになりました!って言われましたね」
U太「そこから横田さんが足繁くライヴにも通って下さって、仙台で正式なお誘いをもらいました。僕らも15周年を迎えるっていうのも意識し出した上で、この人らとやったらちょっとやってみようかなって」
モリス「その時には既に年間プランを提出されましたからね(笑)」
北島「なんせ早いんですよ。計画的っていうか」
U太「その行動力っていうのには助けられてるかもしれないですね。あえて僕らああしたい・こうしたいっていうのを口に出して言わないバンドなんで。にも関わらず汲んでくれてた部分が多かった気がしてます」

■なるほど。ただ、凄く個人的な感想なんですけど…アルバムに出て来る横田さんの声だけで感じ取るに…あまりコミュニケーション能力の高いタイプには思えなかったので…しかも演技ダイコンやし…(←横田さん会った事もないのに失礼します)いや、アルバムの中ではそのキャラ感が凄く面白いからいいんですよ!(汗) ただ、どうやって四星球を落としたのかな?!って…
------ 一同爆笑
モリス「生真面目な感じがね…声だと」
まさやん「眼鏡の会社員みたいな想像ですよね」
北島「“風立ちぬ”の庵野監督的な!(笑) 違和感の気持ち良さってやつですかね?」
モリス「確かに。横田さんが庵野監督にも見えて来る(笑)」

■話が横田さんに持ってかれているので、ちょっと戻しますが、メジャーデビューっていう事に関して言うと、そこは周りの人の力+15周年っていう部分が大きかったと
U太「そうですね。付き合って行く中で人の相性みたいなものもあると思うんですけど。バンドを続ける中でそんな時期があってもええんちゃうかなって」
北島「8年目とかでこの話があったとしたら、まだ自分らの核がないままメジャーへ行く事になったと思うんですけど、今だったら自分ららしい色を出しながらやれる自信があるからっていうのもデカいですね。何ならひっくり返してやろうくらいの気持ちはあります」

■メジャーデビューっていうのは、周りが意識してるほど四星球にとっては一大事みたいな事ではないって感じなんですかね?
北島「そこが難しい所で…意識せなあかんとこもあるし、それはお客さんも増えて、関わる人も増えて、写真一個撮るにも色んな人が動いてくれて、それやのに、今までと四星球変わらんから!って言うてしまったらこっちの人にも悪いと思うんです。やるからには大口叩いてやらんとメジャー行った意味ないと思うし…。そこのバランスですかね。バランスって言ったらそこまでなんですけど、そこを変わらないって言うのではなくて、結果を出していかなあかんのかなって思いますね。で、やってる事の核は変わらないっていうのが理想ですかね」

■メジャーデビューのアナウンスの仕方っていうのもバンド的には結構考えたんですか?
北島「ライヴバンドなんで、ライヴの中で決まっていくっていう過程にしたいなというのはあって、そんな話をしたくらいから横田さん自身も自分が出るんだろうって構えてはくれてたみたいで、10/30(2016年)のなんばHatchでのツアーファイナルにて発表って感じでした」

■メジャーが決まる前に決まってた『出世作』っていう作品も今考えたら、凄いですよね…
U太「あまりそこを狙ってやったわけではないので恥ずかしい話なんですけど(笑)」
モリス「全然作ってる時もそんな話無かったですからね」
まさやん「よう出来た話ですわ(笑)」

■なんならもう狙ってましたって言って欲しいくらいよう出来た話ですよ(笑)
北島「メジャーを“出世”って捉えられるのが今後の一番の落とし穴というか…そこが難しい所であって。メジャーに行く一個前のアルバムっていう意味では凄く正解やったかなと思います。メジャーに行ったらいい意味で前みたいなアルバムは作れないなって思って、実際それに対してのダメ出し(やりたい事が多過ぎる)も横田さんから受けたし、インディーズ最後のアルバムっていう意味では良かったと思ってます。あれを出してから行くのと出す前に行くのとでは意味が違ってたかなと」

■そんな2016年、四星球にとっては改めてどうでしたか?
まさやん「今まで活動して来てちょこちょこ種を蒔いて来た…という程でもないんですけど、そういうものが集まって来たというか…集まった?!違うなぁ…何やろ?」
 
■点が線になって繋がったみたいな?
まさやん「それです!あと個人的にはフェスとかイベントが重なった下半期は、黙々と段ボールとしか向き合ってないですね(笑)」
------ 一同爆笑
モリス「そのせいでこんなに喋れない身体になってしまったという(笑)」
U太「後遺症が出始めてますね」
北島「慌ただしかったですね。自分らが今までやろうとしていた事と、新たに出会った人が提示してくれた事、この2つの柱をどうしようかという年でした。あと意識してやった事は、面白い事をするバンドのシーンがもっとデカい意味で馬鹿にされる傾向がこのままだと強くなるなって思って。面白い事をするバンドが馬鹿にされないようにならないといけない、そういうバンドが必要だなと…その為の動き方をした年かもしれないです。『コミックバンド』っていう曲をここって所できちんとやるとか。コミックバンドとしては馬鹿にされる方がもちろんいいんですけど、もっと広い意味で誰でも出来るんでしょ?!っていうニュアンスをはき違えられたら、他のバンドにも影響が出て来ると思うんです。エンターテインメントをライヴに昇華しようとしているバンドの地位向上みたいな部分では、意識したかなと。面白い事のクオリティーが低いものがたまたま目に入ったので、その一過性の波に僕らが飲み込まれてしまったらあかんなぁというか。面白い事をする人らって実は芯があるんやなっていうのを、ポイントポイントで示さないといけないというか…。それをちゃんと意識した年ですね。今まではその波に飲まれると思った事なんか一回もなかったんですけど、それがフェスとかでも一個のポジションになって来たから、それを他のバンドがはき違えて、面白くない事を面白い風にやってたら足を引っ張られてしまうなって。だから同じネタを続けてやらないとか、コミックバンドっていうのは実は引き出しが多いっていうのをあえて魅せて行こうとした年ですかね」

■コミックバンドに対するそういう考え方って、実は少し前からんぼんやりとはあったのかな?
北島「僕らの先輩から比べたら明らかにクオリティーが下がってるんだろうなっていう事は思ってましたね。でも他のバンドって明らかにクオリティーが上がってるっていうか、それは打ち込みを入れるっていう形だったりするのかもしれないですけど、こんな事をライヴに持ってくるんだ!と。でも面白い事をするっていう概念で言うと、例えばTHE冠って凄いでしょ?面白いし泣けるしって。でもそれはその歳まで行かないといけない=若くなるに連れてクオリティーが下がるっていう、ジレンマは感じてたかもしれないです。新しいジャンルが出て来るにつれ、コイツら新しいなって感じるでしょ?でも面白い事ってコレはもう上の人がやってるなっていう…」

■なかなか難しい問題ですよね…四星球自体はどうなんでしょ?他にやってないジャンルっていうのは意識してたんですかね?
北島「それはね、多分徳島っていう土地が作ってくれたんだと思うんですよね。“他に被らない”っていう。これはもうエゴですけど、引き出しの多さを出したいっていうバンドが多かったんだと思います。それは面白いって事だけではなくて、演奏とか歌詞とか、活動の幅とか…。そこでうちら何でもできますよ!っていうのをバンドのカラーにしていたから、そこの違いはあったかもしれないです」
 
 

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