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トータス松本(ウルフルズ)インタビュー【2】

2017/03/31

トータス松本(ウルフルズ)----interview②
 
■復活して久々にメンバーに会った感覚っていうのはどうだったんですか?
「なんかこう照れくさいというか、変な感じやったよね。それが12ヶ月くらいは続いたかな。スタジオに入って音を出して行く中でどんどん擦り合わさっていったというか。復活用の新曲を書き出して意見が飛び交う中で徐々にいつものウルフルズに戻っていったみたいな感覚やったね。でも最初は皆久々に集まってるからパワーが有り余ってる感じで、熱量がグッと上がってたかな。今また元に戻った感覚なんやけど、あれはもう滅多にこうへんかな(笑)『ええねん』で黒田(ジョンB)が帰って来た時もちょっとそんな感じやったけど。一つ事件が起こると温度がグッと上がる…で、暫くすると慣れて普通に戻るっていう(笑)」

■そんなバージョンアップされたウルフルズの音っていうのは13枚目のアルバム『ボンツビワイワイ』に集約されていて…まさにあの時のウルフルズお帰り!!っていう作品だったかと思うんですが
「うんうん。なるほどね。復活してすぐの『ONE MIND』はそこまで行ってはないって感じやった?(笑)」

■決してそういうわけではないんですけど!!(汗)『ONE MIND』は復活した時の熱量が構成するアルバムで…それを経て『ボンツビワイワイ』っていう作品はやっと裸一貫になったような作品だったんじゃないかと。アホになりきったウルフルズ、お帰りなさいっていう…
「そうかそうか。『ONE MIND』は復活の作品やったから凄く力を入れて作ったんやけど、そのツアーでは結構昔の曲もやってて…。実際昔の曲ってお客さんノリノリやし、踊りまくってんのよ。それを見たら反省じゃないけど、この作品ってちょっとシリアスやったのかなって。でもそれは悪い事ではなくてそうならざるを得ないもので。で、結局歌詞にメッセージ性がとか、どんな事言うてやろうかっていう事ではなくて、聴いた感じが楽しい!思わず踊ってまう!みたいなのが次のアルバムはいいんやろなって。それは全国を回ってみて自分の中でしっかりとした答えになってて。次の作品はとにかく聴いてオモロい、理屈のない感じっていう作品になったらいいなって『ボンツビワイワイ』を作ったからそうなったんやろうね。でも何か今となってはやっぱりメッセージ性も大事なんやろなって思ってる!笑」

----- 一同爆笑-----

「思ってるよりも『ボンツビ』は売れへんかったからね!!(笑)意味も大事なんやなって。アメリカのバンドやアーティストって特にエモーションだけでやっているように見えてる人たちでも、凄くその時の時代に刺さる言葉しか歌ってないんよね。俺は今まで勝手なイメージとして、アメリカの音楽って言葉の連呼とか、そういうグルーヴやサウンド、キャラで引っ張って行ってるって思ってた。でもボブ・ディランがノーベル文学賞とったり、グラミー賞見ててもそうやねんけど、直接知ろうとせぇへんかったら分からへんけど、なんかその時のアメリカとか世界のムードみたいなもので、一般の人がせや!!って思える部分をちゃんと計算して歌ってんのよね…なんか…知らんかった〜って感じ。今頃気付いたん?!って思われるかもしれへんけど(笑)」

■なるほど〜。メッセージが…あるんですね
「せやねん!めっちゃメッセージがあんねん」

■でも『ボンツビ』にも強いメッセージ性があますが!!
「ちゃうねん、『ボンツビ』のメッセージはちょっと分かりにくいのよ。メッセージを超えてるとこにメッセージがあるっていうか」

■もっと分かりやすいものっていう事ですか?
「そう。もっとベタでええって事やねん。『ボンツビ』はお洒落じゃないみたいに聴こえるかもしれんけど、お洒落やと思う。三枚目やけど洒落てはいる!けどそれが分かり難かったんかなぁ。だから思ったほど売れへんかった。もっとええのに!って。届ききらへん感じがしてるんですよね。ツアー回ってみて、届きが浅かったっていう(笑)だからライヴで歌うとすぐ分かるね。自分らではいい曲書いたなぁって思っても人前で歌うとあれ?違うかも?って。一番身近なファンは俺らの周りにいるスタッフやから、そのスタッフにウケない事は基本的にやれへんのやけど、そのスタッフと本当のファンっていうのもまた違ってて。やっぱりスタッフは発信する側で、お客さんは受け取る側やねん。これが難しいねんなぁ…。そうそう、最近になって、CM で『笑えれば』を使ってもらえるようになってから、またお客さんにとっての『笑えれば』の聴こえ方が変わってんのよね…」

■それめっちゃ分かります。今回のトリビュート作品を聴いていて全く同じ事を思いました。昔の自分が聴いていた『笑えれば』と、今聴く『笑えれば』って何かもうハッとするほど感想が違いました!
「そう、『笑えれば』とお客さんの距離感って変わってきてんのよね。だからそういう風に聴いてんねんなって思うからこっちもそういう風に歌おうとするし…。だからやってみな分からへん。怖いようやけど面白い。だから今作ってるアルバムもどうなるんやろなぁって。作ってみないと分からへん。もうちょっと…もうちょっとで完成です!」
 
 

 

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