林部智史・インタビュー
ARTIST & RELEASE 情報
2024/09/24
▼コメント頂きました!!
◎2024年はデビュー8周年にちなんで“∞(無限・無限大)”をテーマに活動している林部智史。無限の可能性を追求しようと原点回帰を試み、カバーイヤーとして、例年以上に多くのカバー作品をリリース。第一弾として、今年6月には自身が生まれた1988年以降にリリースされた名曲をふんだんに収録した『カタリベ 2』をリリース。そして 10/23には、1988年以前の楽曲をカバーした『カタリベ〜愛のエクラン〜』をリリースする。自身の生まれる前後で異なる作品を歌い上げた別の表情を持つコンセプチュアルな作品を引っ提げ、9/28よりいよいよツアーがスタート。
「僕の中で88年以降というと当たり前な感じがあるんですが、生まれる前の曲でしかも“女性の恋心”を歌った曲をカバーするというのは自分でも初めての試みで…実は前作の『カタリベ2』も半分以上が女性の、しかも恋心を歌った曲(全て女性ヴォーカルの曲)なのですが、今回は男性シンガーが歌う女性心というものもあったりして、一曲一曲想いも違うし、自分の立場で理解が難しい部分もあったりして、特有の時代背景(女性はこうあるべき・男性はこうあるべき)というのもあるなと。そういうのを僕なりの解釈で歌に乗せていく=歌い手に徹するという作品になったと思います」
林部智史のいう“歌い手に徹する”というのはどういうことか?
「童謡や唱歌なども歌う活動の過程で、例えば「ふるさと」を歌った曲であれば聴いている皆さんそれぞれの「ふるさと」を想って欲しい。だた、歌い方・表現の仕方一つでは僕自身の「ふるさと」が見えてしまう時があって、それで観客が涙してしまうというケースもあるんです」
だからこそ気持ちは乗せるけれども歌の背景や声や立ち姿(表現方法)で聴かせる、という絶妙な立ち位置が重要で、それが歌い手に徹するということだという。
「実は自分の曲でさえ、皆さんに主人公になっていただきたい曲もあって…何割自分が主人公になるのか?とか、一曲一曲で立ち位置を考えた作品が多いんです。逆にカバー曲も然りなのですが、全部第三者ではないんですよね。ちょっと入り込む曲とか。僕の中ではなかなかオリジナルもカバーも区別しにくいんですよ。ただ今作は気持ちを乗せるけど第三者的な立ち位置で、皆さんに曲の背景を見せるということに徹することが出来た作品だと思います」
すなわちそれがシンガーソングライターというところとは別の、歌手という部分に繋がり、林部智史という歌い手の奥深さと新しさを更に魅せる一枚になったのだろう。個人的な感想を寄せると、じんわり心の中に染み込む一方で、実に俯瞰的に曲の情景を伝えてくれる歌。言い換えるととてつもなくフラットに楽曲を歌っているにも関わらず、自分の感情を揺さぶってくる歌“まじでこの2面性何なん?”という感じだ。そんな楽曲たちを生で聴けるのかと思うと今から楽しみでならない。
「毎回コンサートによってコンセプトが違うので、今回は女性心なので歌い方も少し変えてみたりとか、男らしさはいらないと思うので柔らかさ・しとやかさを声に乗せていきたいです。いつもは衣装もシンプルで(歌に余計な先入観を持たせたくなくて)そんなに何着も用意してないんですが、今回はどうなるのかなって(笑)なので髪の毛も少し伸ばして柔らかいイメージを目指しているんですよ(笑)」
メインはもちろん『カタリベ〜愛のエクラン〜』からになると思うが、それ以外にもオリジナル曲や『カタリベ 2』からの選曲もあるようなので、色んな観点から見た林部智史の歌が披露される予定。ぜひ会場に足を運んで、あなたも遠き日の黄昏時の恋の歌に想いを馳せてみてはいかが?
text●aco_yamazaki
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