STARDUST REVUE “楽園音楽祭2000inSHIDO” 7月29日(土)香川県志度野外音楽広場テアトロン |
【1995年7月29日−STARTIC ’95−】。 この日からちょうど5年の年月がたった。そして今年もまた、 6度目のスターダスト・レビュー夏の野外ライブが 香川県志度野外音楽広場テアトロンで開かれることになった。 『テアトロンにはいつも新しいスタレビがいるんだ。』(根本要)…、 毎年刻み込まれる様々な想い、様々な出来事。変わらないもの変わるもの、 この5年間で一番変わったことといえば、志度というこの場所が 一ライブ会場からスタレビの聖地となったことであろう。 【2000年7月29日−STARS−】。 今日のこのライブを楽しみに四国内はもとより全国各地から大勢の人々が聖地・志度テアトロンに集まった。
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『STARTIC』から『STARS』へ…。 〜悲しくなったなら 夜空を見上げてごらん 想い出も未来も 何もかも輝くように僕は歌おう…〜 (『Stars』より) |
それはアンコール最後の曲、『Stars』の時だった。 この一曲に今回のライブが集約されるわけではないが、あまりにも印象強く、そして志度野外音楽広場テアトロンというこの場所を物語るにふさわしい偶発とも奇跡ともいえる出来事が起こったのだ。 まさかこんな演出があるなんて…と、空を見上げ息をのんだ。野外ライブならではの自然の演出だが、そこにはメンバー・スタッフの“想い”と“願い”と、そして“自信”があったのだ。 6度目の夏、また〜スタレビ・志度伝説〜が語られることになる。
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午後6時15分、西日も差し青空ではじまったライブではあったが、雲の動きはずっと気になっていた。九州西部に停滞中の台風の影響もあり、風で雲の流れが速いのだ。どうみても雨雲と思われる黒い雲も何度となく頭上にせまり、祈る気持ちで空を仰いだ。しかし、幸運にも雨はまだ降らない。いつのまにか日も暮れ、雲の様子は目を凝らしてでないとわからなくなった。ただ、夜空はどんよりとして星も見えてない。やっぱり雨かも・・という不安もまだあった。 午後9時、アンコールラスト2曲、『夢伝説』がはじまった。
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実は私はこの次に起る演出を全く知らなかった。ただ、PA席近くの関係者席にいたため、何故かそこにいた数名のスタッフがテントから身を乗り出し、空をやたら気にしていたかなと、今思えば…のことだがそわそわとした雰囲気ではあった。その頃、ステージ後ろのトーチには炎が立ち上がり、自然の中で素晴らしい照明がステージ上をみごとに照らしていた。 そして最後の曲、『Stars』。私はふと、その歌に誘われるままに空を見上げた。あれっ?星だ。星が輝いている。いつのまに?さっきまで雨を心配していた曇り空が、今この瞬間、テアトロンの頭上は満天の輝く星空なのである。あの雨雲たちはいったいどこに行ったのだろう。しかも星空が歌っている。えっ、どこから?まるで『Stars』が空から降ってくるかのように。この空がステージとなり客席のすべての人が頭上の星空にくぎづけになった。途中、私はステージに目を向け、そして絶句した。さっきまで目の前にあった華やかなステージが存在していない。ステージ方向が真っ暗なのである。もちろん、スタレビの姿も見えない。暗闇の中なのかどうか、それすらわからないほどであった。あたりを見渡した。非常灯も入場口付近のテントも何もかも、今まで目に入っていた会場内のあらゆる照明物がすべて消えていることにようやく気がついた。輝くものはこの星だけ、聞こえるものは『Stars』だけ…。2000年の志度ライブの最後を、星と『Stars』は飾ったのである。 スターダスト・レビューらしい、スターダスト・レビューしかできない演出であった。鳴り止まぬ拍手も満天の星空にきっと届いただろう。
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それにしてもこの演出は大胆な賭けでもある。ちなみに『夢伝説』の途中まではまだ空に星がでていなかった。どのようにしてあの星空を呼んできたのか。偶然なのか奇跡なのか、それとも志度マジックなのか。この演出を試みたスタッフに聞いてみた。 前日のリハーサルの時に「あまりにも星がきれいだったので。」と、急遽スタッフが思いつき決めたというこの演出。ライブ当日の天気予報はくもりのち雨、降水確率70%とわかっていながらの提案であった。ただそれは決してメインの演出ではなく、星がでてなかったらダメ出しの方向だった、ともいう。…だが、『Stars』の直前に「星がひとつでも出たらやろう。」と決断し空を見上げ、星を探したスタッフたち。祈る気持ちで星を探し、そして祈る気持ちで照明を落としたのだろうか。スターダスト・レビューを愛するスタッフだからこそ、その願いが届いたのかもしれない。そしてきっと、95年に亡くなられた当時スタレビ照明スタッフの小林さんが雲を消し、いっぱいの星を光り輝かせてくれたのだと私は思う。空の上からこのライブを優しく見てくれてたのだと…。
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「“志度でやるスタレビに間違いはない!”という絶対的な信頼感をこの志度で5年かけて創りえてきたからこそ、その信頼感に支えられた冒険心も生まれてくる。あの時の『Stars』はその最もたる演出であった。」とVo.根本要氏は教えてくれた。「仮に星が出ていなくても、他では体験できない不思議な感覚をみんなが味わってくれるはずだとスタッフは信じていた。あんな卑怯な演出は、演出側に合わせて楽しんでくれるお客さんあってのこと、ライブを目一杯楽しもうとするお客さんとの信頼感があるからなんだ。」とも。「志度という場所は、スタレビはここまでやっていいんだ!ということを再認識する特別な場所なのである。」
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『STARTIC』から『STARS』へ、そして最後の『Stars』・・・。5年という年月を経て、今日この場所で私たちに感動と涙と笑顔を与えてくれたのは、最後の星空もそうであるが、やはり“スターダスト・レビュー”であることは間違いない。
(文:中村説子 Special Thanks: 根本要、水野伸宏、池呂信平、橋本直子) |
“楽園音楽祭2000 in SHIDO” (メンバー歌いながら1人ずつ登場) M1.Amazing Grace(アカペラ) M2.No!No!Lucky Lady M3.月光列車 M4.Northen Lights〜輝く君に〜 <Talk>(根本要、客席に乱入) M5.Goodtimes&Badtimes M6.僕はピアノが好きなんだ(Vo.光田健一) M7.九月の海(Vo.柿沼清史) M8.さよならの足音(Vo.林紀勝) M9.素敵なWink Cat <Talk> (お馬鹿ソングコーナー) M10.今年の夏こそは M11.村長さんの娘 M12.おらが鎮守の村祭り(バカボン登場) <Talk> M13.愛が止まらない(相田翔子登場) <Talk>(相田翔子とおしゃべり) M14.ナチュラル〜抱きしめてこのままで〜(デュエット) <Talk>(相田翔子退場) M15.Running M16.流星物語 M17.Get Up My Soul M18.Going Back to 1981 <Talk> M19.今夜だけきっと EC1.〜グループサウンズメドレー 1.ブルーシャトー 2.バン・バン・バン 3.好きさ好きさ好きさ 4.シーサイド・バウンド 5.クレイジー・ラブ(ステージ後方で花火) <Talk> EC2.夢伝説(火炎トーチ) EC3.Stars (終演後、打ち上げ花火) |