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怒髪天インタビュー【3】

2017/05/26

怒髪天----interview③
 
【左より 谷尾桜子(ひめキュンフルーツ缶) / 増子直純(怒髪天) / 岡本真依(ひめキュンフルーツ缶)】
 

■先ほど伸びしろがないなんて仰いましたけど、実際このコラボの試みは、怒髪天にとってもある種“チャレンジ”と捉えていて、なかなか若いバンドが出来るようなものではないと思うんですけど、ココにこそ、怒髪天の自由度の高ささや、懐の深さみたいなものが込められているんじゃないかと…
増子「そうかもしれないね。単純に面白い事はどんどんやって行こうとは思っているよね。そこには自分たちが面白いと思えるか?思えないか?って判断基準があるんだけど。いくら条件が良くてもギャラが良くても、面白いと思わないものは出来ないからね」

■誤解を恐れずに言うと、実際今回のひめキュンとのコラボも、怒髪天の昔からのファンからすれば、少し戸惑う人も居たりするのかなと思うんですが…
増子「色んな人が居るからね。ただ食堂の新メニューだと思ってくれればいい。新しいの作ってみたからちょっと食べてみてっていう。店が変わるわけでもないし、中の料理人が変わるわけでもないから、皆大袈裟に考え過ぎるきらいがあるよね。それは俺らのお客さんに限らずなんだけど。そんなに変わらないから!あと面白いと思っているモノしか俺らやらないから!」

■元々そういった考え方はお持ちだったと思うんですけど、やっぱり昨年のひめキュンとのコラボっていうのは、怒髪天にとっても凄く意味のあるものだったという事ですよね?
増子「そうだね。凄くプラスになってるね。だからそのお礼をしたかったんだよね。特に楽器隊の3人なんかは凄く勉強になったって言ってたから。それは音楽的にもそうだし。所謂プレイヤーに徹するっていう事が今までなかったから。バンドって4人でやっている以上、プレイヤーでありながらパフォーマーでもあるから。そこをやっぱりプレイヤーに徹して音楽にグルーヴを出すっていう事は凄く彼らにとっても新鮮だったみたいで、勉強になったんだと思うよ。あと自分の得意な事だけで構成されていない曲っていうのをちゃんと再現していくのも、難しかったけど凄く楽しかったって言ってた。なかなかそういう機会ってないから。このくらい遠い関係性じゃないと逆に勉強になんないよね。どっかのソロシンガーにくっついてやったくらいじゃ、何となく勝手が分かったりするから、そういうのじゃ刺激にならないよね。あとは単純に演奏技術が上がったっていうのはあるよね。自分たちの得意じゃないフレーズをちゃんと演奏しなきゃいけないっていうのと、ダンスと合わさるものなので、ちゃんとステップに合わせたビートを刻んでいかなきゃいけない、更にそこでグルーヴを出していかなきゃいけないっていうのは凄く勉強になったって。バンドってやっぱりグルーヴがあって、曲の中のスピードがわりと上下したりするのよね、それが4人のメンバー全員で遅くなったり早くなったりしてうねりが出て来たりするんだけど、ダンスは絶対そういうのダメだから。坂さんなんかはクリックを聴きながら今更ちゃんと叩けるようになったっていう(笑)その進歩は相当でかい!」

■いかがですか?ひめキュンのお2人は
まいまい「怒髪天さんて…誰もが認める凄い方々なのに、リハーサルの時なんかも真摯に向き合って下さって、11曲これ大丈夫?やりにくい所なかった?!とかって聞いてくれたり、皆さんが工夫して下さって、歌えなかった部分を克服出来たりしたので、この人たちはなんて心の広い人たちなんだって!」
増子「いやまぁそうする方が自分たちもやり易くなるからね!」
まいまい「でもこんなガキンチョたちと同じ目線に立って、接して下さっているのが凄く嬉しかったです」

■それはきっと皆の本気が伝わっているからこそだと。どちらかが一方通行だと多分このコラボは成功していないですよね
増子「その通り!成立してないよね、きっと」

■加えて増子さんはひめキュンには、「後継者として俺たちの持ってるものを託していかなければいけない」という使命感すら感じていると仰っていましたが
増子「やっぱり単純にライヴを観て凄いなって感動したからね。本当に前向いて真剣にやってんだなっていう。なかなかバンドでもそうそうない出来事だと俺は思うんだけど、セオリーに乗っかり過ぎているとうか、そういうバンドが結構多いんだよね。そうじゃなくて不器用ながらも真摯に向き合ってやって行こうと思っている気持ちや姿に、ライヴを見て本当に感動したからさ。我々が渡せるものは渡していってあげないとなって、これはグループとしてもそうなんだけど人としてもそうで、同じ音楽をやっているもの同士、何かしら前に向いて生きて行けるような指針を俺たちが渡していかなきゃいけないなって。あとはお客さんだよね。こいつらを救ってんだなって思ったら胸が熱くなるよね。会社で怒られてそうな奴がいっぱい居るもん(笑)そんな奴らがライヴでグワッー!ってなっているのを見ると本当にこっちが胸が熱くなるよね。だからこのAB盤は、ひめキュンのファンたちが買いやすいように分けてさ。ひめキュンの歌が聴きたくて買っているのに、知らないおじさんの曲が19曲(※A盤には特典DVDとしてライヴ音源を収録)も入っていたら意味がないでしょ?っていう事で、Bにはデュエット曲も入れてさ。これね、特典商法みたいにさ、今AB盤てよくあると思うんだけども、俺らB盤作った分完全に予算オーバーしてんだからね!赤字ですよ!でもこれはひめキュンのお客さんへの我々からのお礼だから」

■そのB盤の楽曲セレクトが昭和の歌謡曲ど真ん中っていう!
増子「そう。これはもうそれぞれメンバーのお母さんたちと歌った方がよっぽど面白いっていうね(笑)」
まいまい「家でこのCDを聴いていたらお母さんが、あぁ〜この曲も歌っとんやー!この曲も歌っとるー!て横で歌っていました」

■ただやっぱりお二人にとったら、昭和歌謡っていうのは逆に新鮮だったんじゃないですかね?
さく「そうなんですけど、私は実は歌謡曲が好きで…山口百恵さんが好きだったので、歌えたのが凄く嬉しくて」
増子2人がカバーしたのは両方ともエッジの効いた曲だから、なかなかアイドルはセレクトしない!」
さく「これがどっちも決め台詞があって…」
まいまい「“やってられないわ”と“いい加減にして”!」
増子「ここにも毒が入ってるっていう(笑)」
----- 一同(笑)
まいまい「どの曲も全然違うのに、増子さんが歌うと増子さんの曲になってしまう所が本当にかっこいいなと思って」
増子「俺はただ特徴のある声だからね。『赤ら月』が出来上がって来た時にちょっとショックだったけどね。俺ってこんな声汚ねーのかって。凄い濁ってんなって(笑)」

■歌謡曲の選曲はコラボありきで?
増子「そうだね。普通のデュエット曲じゃ面白くないから何かしらエッジの効いたものを半々で歌ったら面白いんじゃないかなと思って。昭和のアイドル二台巨塔(山口百恵と中森明菜)、この2人の曲の良さを受け渡したいっていうのもあったし。後は作家陣がただ事じゃないからね!この当時は一流の作家が曲を作ってたから…」

■改めて今回昭和歌謡の素晴らしさを実感しました。『1/2の神話』は作詞:売野雅勇/作曲:大沢誉志幸、『絶体絶命』は作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童ご夫妻なんですよね!
増子「やっぱり改めていい曲だと思ったよね!で、やっぱり女の子が歌うといいなぁって思ったよね(笑)歌ってて思ったのは、曲が本当に良く出来てる。いつも聴いてる曲でも、カバーをするのに譜面を起こしたりすると色んな発見があって本当に面白いよ」
 
 

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