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■その1stフルアルバム『SODA POP FANCLUB 1』ですが、炭酸系サウンドはもちろんの事、踊り出したくなる曲があったりピアノバラードがあったりと新しい表情が沢山ですね！どんなテーマがあったのでしょうか？

「もっと自分達を知ってもらいたというのが根の深くにあって。色んな人に聴いてもらいたいし、もっとバンドだけじゃなくて自分達自身の事を知ってもらいたいと思ったので、歌詞もアレンジも“人間くささ”を重視しました」

■なるほど。ではまずM3『エバーグリーン』ですが、野球をテーマにした歌詞や描写に青春を感じました！この曲でメジャーデビューされましたが、サイダーガールにとってどんな楽曲ですか？

「『エバーグリーン』は、サイダーガールが持つ、所謂“爽やか”や“青春”と言われているバンドの印象を大事にした曲で。サイダーガールの表の顔として得意武器を上手く使った曲だと思います。歌詞の一行目から物語が浮かぶような曲にしたいなと思っていたので、自分の初恋を思い出しながら日記帳にその時の気持ちを書いたりして歌詞を作りました。最初は吹奏楽部っぽいフレーズも入っていたんですけど、いつの間にか野球と絡めたいなという気持ちが湧いてきて、野球で完結出来る物語を作ろうって」

■知さんの経験も歌詞に反映されているんですね。そういう事は他の曲にもありますか？

「ありますね。自分が経験してきた青春もあるんですけど、それよりもやっぱり自分が出来なかった憧れとかが今も凄く残っていて。その自分の中の青春感が反映されているんだと思います」

■わかります。大人になってあの時しておけば良かったなぁと思う青春っぽい事、沢山あります。

「そうですよね。なので今青春を謳歌するような年代に居る方だけじゃなくて、その時期を過ぎてしまった世代の方にも届いて欲しいなと思っていて。今学生の方がサイダーガールにキラキラしているイメージを持っていたら、それはそれで素敵だなと思うので。色んな捉え方をしてもえたら良いなと思います」

■M4『なまけもの』は、先ほど仰っていた“人間くささ”を一番感じた曲です。“あーあ　何もやりたくないわ”と歌詞からもメンバーの皆さんの人間像が見えたし、“自分も同じだ”とホッとする楽曲ですね。『エバーグリーン』がバンドの表の顔なら、この曲は個人の一面が表れたという感じですか？

「そうですね。『エバーグリーン』を作ったのが今年の1月で、同じタイミングで『なまけもの』も作っていたんです。僕だけでなく他のメンバーも引きこもりがちなので、青春の良いところばっかり書いてこの人って爽やかでピュアな人なんだなと思われるのもなんだかな…と（笑） なのでこれが普段の僕のありのままな感じです。僕たちはメディアに顔を出していないので、自分達の人となりを紹介出来るのがどうしても歌詞とかしかないので。そういう意味で“もっと人間くさくなろう”と思ったのが今回のアルバムのテーマが出来たきっかけです」

■そのテーマをより深く感じたのが、知さん作詞作曲のM9『成長痛』です。歌詞中の“君”と“僕”は二人の人物にも取れるし、一人の人間の中に二人が居るんじゃないかなと聴いていて思いました。

「仰る通りで、この曲は自分自身に対して歌ってると思う事が凄くあって。あと自分の中に伝えたい人が居て、その人に伝えたいという想いもあって。その二つの意味があるんですけど、どちらかというともう一人の自分に言いたかった事なのかなと思ったりもして。結局自分の中でよくわからないポジションの曲になっちゃいました。皆には聴いて欲しいけど、自分で聴き返すのはなんかちょっと辛い曲で…」

■それほど、『なまけもの』とはまた違う部分の本当の自分を曝け出した曲だという事ですかね？

「曝け出し過ぎちゃったかなと。そこって見られても良い部分なのかな？と作った後に聴いて迷っちゃいましたね。あと人間くささで言うと、最近一人暮らしも始めたのでそれが表れているM11『くらし』も好きな曲で！作詞作曲したフジムラが失恋した時の曲なんですけど、その時を凄く思い出すんです。“冷蔵庫の中には腐りかけの夢と　涙のドレッシングしかないからさ”という歌詞も、面白い比喩使うなぁって思います」

■まさか失恋の曲だったとは…！『くらし』は特にそうですけど、寂しさや悩みも、サイダーガールの曲になる事で最後は前を向けるようになりますね。それこそ本当に炭酸を飲んだ後みたいな清々しさと似ているというか。

「ありがとうございます。ただ“消えたい”とかずっと言っている曲だと、凄い自分よがりで逆に自分のことをちゃんと言えてないなと思っていて。現状を変えたいという思いを皆に聴いて欲しい事もあって、最後はそういう風に前向きに歌詞が変わっていっているのかなと思います」

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