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よくあるご質問

ORANGE RANGEインタビュー2

2018/11/30

10月に配信リリースされた『Family』はNHK「みんなのうた」で10月~11月に放送されている、家族をテーマに沖縄の風景が感じられるあたたかい楽曲ですね。

「仮歌が元々あって、『ELEVEN PIECE』と同時進行で作っていた曲なんです。その中でお話をいただいて、『Family』はみんなのうたにしようと決めました。作る時は“等身大”が第一テーマでしたね。今の自分達で歌詞を書くとなった時に、例えば架空のものを書いて面白いこともあるんだけれど、この曲に関しては自分達のことをちゃんと素直に書くような感じが良いねと。だからタイトルも捻らずに、音も真っ直ぐにしました」

 

■等身大というテーマで“家族”にフォーカスしたのはなぜですか?

「近くにあるものを見れていないと、遠くにあるものが見えてこないというか。割とそういう事だらけだなって思うんです。多分人間みんなそうじゃないかなって」

 

■なるほど。この曲はその真っ直ぐな想いがわかりやすい言葉で綴られていて、且つ大人も色々と考えさせられてジンときます。30代のORANGE RANGEだからこそ描ける優しい世界だなと・・・!

20代では書けなかった歌詞ですね。僕は割とこういうストレートな曲が好きで。ストレートにやる時って、わかりやすさとかスッと入っていく言葉が良いですよね。変化球ばかり投げてないでストレートを投げるっていうのは、中々最近やってなかったかもしれないですね。『ELEVEN PIECE』の曲の中にも『Happy Life』というストレートなメッセージの曲があって、最近バンドがそういうモードなのかなってちょっと思ってます」

 

■最後のRYOさんパートの歌詞にはどういう想いが込められていますか?

「最初はHIROKIがサビの歌詞を書いていたんですが、自分がこのテーマで書きたいことはそのサビに集約されていて。同じことを違う言葉で表現するのは違うなと思って、そのサビに辿り着くまでの過程ってなんだろうと考えたら、まずは“自分を知ること”だったんです。自分のダメなところも良いところも知ったら、周りが見えてくるっていうところから書きました」

 

■まずは自分を知ることからと。沖縄の風景が歌詞に影響した部分はありますか?

「沖縄の家の近くに海があるんですけど、夏はそこによく日焼けしにいくんです。ちょうど製作の時期に、上手くいかんなぁって思ってそこで見た空がめっちゃ晴れてて。“ふと見上げた空は眩しかった”という歌詞は最初は“綺麗だった”にしていたんですけど、“綺麗”じゃなくて、もっと強くて心が痛くなるような感じだったので“眩しい”に変えましたね」

 

■これまでもタッグを組まれている吉俣良さんを迎えたストリングスも入っていますね。吉俣さんと製作する中で感じたことはありますか?

「もうね、アレンジ力です。元は打ち込みでストリングスの音を入れてるんですけど、実際に弾いてアレンジしてもらうと、絶対に出てこなかったものが出るし、信頼があります。いつも幅を広げてくれます」

 

■三線の音やバンドサウンドにストリングスと色んな楽器が入っているのに、歌詞と同じようにストレートに音が聴こえるっていうのも曲が伝わりやすい理由なのかなと感じました!

「全体的に音数少なめっていうのはここ数年のテーマですね。今は音数多くて派手にっていうのが主流ですけど、間逆の引き算方式です。デビューした時が死ぬほど音数が多かったので(笑)」

 

■確かに、年々削ぎ落としてシンプルな音作りをされている印象があります。その分YAMATOさん、HIROKIさん、RYOさんの歌声がより近くに感じられて。

「音数を減らしたのは最初はリーダーのNAOTOからですね。いきなりそうされた時は大丈夫かなって不安はありましたけど、彼に対してそこは信頼しているので。きっと得る物があるだろうとやっていたら分かってきて。音が立つんですよね11個。あ、なるほどなって。やりがいが出てきますね」

 

■そして最新ALELEVEN PIECE』ですが、その楽曲の幅広さや変幻自在なサウンドがさらに突き詰められていて、さらに人間らしさというかメンバーの皆さんの形が見えるというか。面白くて刺激的だけど優しくて、身近に感じる作品だなと感じまして。ライブでも披露していく中で、RYOさんにとってどんなアルバムになりましたか?

「みんなを盛り上げるような、飛びぬけて最先端にある曲と、飛びぬけて相手を引き込む曲があるとしたら、その間でちゃんと要点を置いてくれるような曲たちが揃ってます。こういう曲って意外と大切で。フェスとかは一気にドーンと引っ張っていけばいいんだけど、ワンマンとなってくるとそうもいかず・・・やっぱりライブの流れを作る時に実は大事なのがこういう曲たちで。頼りになる曲が揃ったなと思います」

 

■ライブを意識して曲は作られていたんですか?

「作曲のリーダーとYOHとでまた違うんですけど、リーダーはほとんど考えてないですね。本人も言い切ってるんですけど、曲を作る時は曲、ライブはライブって振り切るタイプで。YOHは曲によってライブを考えて作っていたりだとか。大体は楽曲が完成してライブに落とし込む時の表現の仕方やセットリストとかはボーカルが考えたりするんです。自然とその役割分担になってますね」

 

■そうだったんですね!一人が考えてとかではなく全員に役割があって楽曲からライブを作り上げていくって、それこそ5人の共通意識があってこそといいますか。

「もちろん全部が上手くいくわけじゃなくて、想いが強ければ強いほどぶつかる時もあって。ただ単純に信頼がないと完成まで持っていけないなとは思いますね」

 

■では1曲ずつお聞きします!M1Ryukyu Wind -ELEVEN PIECE ver.-』はFC琉球の公式応援ソングということで。沖縄の空と風が目の前に広がるような爽やかな1曲ですね!

「これはFC琉球の公式応援ソングのお話が先にあって。だからイメージはスタジアムだとか、『チャンピオーネ』とかも近いんですけど、でも詞の内容はもっと熱く応援するように振り切った曲ですね。サッカーに限らず、頑張ってる人みんなに届くような書き方はしています。展開も色々飛ぶからリーダーは苦労したんじゃないかなと思ったけど、本人に聞いたらそうでもなかったみたいです」

 

M2『センチメンタル』は、これまでのORANGE RANGEの夏歌とはまた少し違った盛り上がり方が出来る青春ソングだなと思いまして!こういうテーマの楽曲を今の皆さんで作ろうとなったきっかけみたいなものはありますか?

「メンバーと話してはいないけど、もしかしたら学生さんと関わっている事が関係してるかもしれないですね。あと詞を書いてる時に“こうあって欲しい”と思ったのはありますね。青臭くというか、わざとらしくそこに振り切るみたいな。『チラチラリズム』っていう曲も同じようなテーマなんですけど、例えば冷めててこういうの恥ずかしいみたいな感情があっても、心の中にこういう想いがあって欲しいなって」

 

■心のどこかには持っていて欲しいみたいな。またバンドサウンドのみというのも青春感が増していますね!

「そうですね。『イケナイ太陽』みたいな枠で、ちゃんとバンドサウンドでっていうとこは土台というか。大切なことじゃないかなと思いますね」

 

M3Destroy Rock and Roll』はタイトル通り概念みたいなものをぶっ壊すというか、また凄い楽曲が3曲目に入ってきたという驚きが第一印象でした。

「これはリーダーから出た曲で、テーマが映画の“シン・ゴジラ”です。凄くないですか?このアルバムでまず俺らがなんだそれはと引っ掛かったテーマで(笑)結局裏に支配者が居るような感じで、どう頑張ってもそこに回って上手くいかないみたいな。最初に音だけで聴いた時、凄い格好良いなと思ったんです。それに乗せる歌詞を格好つけるんじゃなく、今言ったみたいなテーマにするところがまたORANGE RANGEなんだろうなって。ずっとやっているので、こういうこと。一番最初が『musiQ』っていうアルバムの『papa』で。めっちゃ格好良いのに乗せるリリックが意味分かんないっていう(笑)でもそういう形の曲もあって良いなって」

 

■『papa』は私が中学生の頃、この歌詞どういう意味!?ってクラス中で話題になりました(笑)

「なりますよねぇ。本人たちが分かってないので(笑)気にしなくて良いんです」

 

 

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